2025/6/30（月）「金正恩の手にモサドが仕込んだ携帯電話が！」
イスラエル・モサドが北朝鮮に送り込んだ携帯電話を、金正恩が手にするに至っていた。イランの軍高官、核開発者ら70人以上を死に追いやったイスラエルの作戦には、7年もの準備期間があったという。7年前といえば、北朝鮮で金一族三代にわたり護衛部隊総司令官を務めた尹ジョンニンほか数十人が姜健(カンゴン)軍官学校で金正恩の命により高射砲で粉々にされた頃だ。この事件は護衛司令部付属の貿易会社である東洋貿易の総社長チョ・ギョンチョルが、台湾やマカオの会社と取引する中で特殊携帯電話を200台購入し、これが金正恩および護衛司令部員の手に渡ったのだが、実はこれに超精密GPSシステムが仕込まれていたことが分かり、責任者の大粛清となったものだった。同じ方法がイランの軍高官の導線を探るために使われており、彼らの導線はすべてモサドに知られていた。イランではこれが効果を上げ、北朝鮮では早期に発覚したため失敗したのだ。ハマス、ヒズボラ、イランを次々に壊滅に追い込んだイスラエルの次のターゲットは、イランとの核開発パートナーである北朝鮮であることは間違いない。そのため、金正恩や金与正は、外部からの侵入や仕掛けに神経を尖らせていることだろう。
2025/7/1（火）「金正恩の特使・李国家保衛相の接見をプーチンが拒絶…朝ロ間に亀裂！」
ロシア・プーチンと北朝鮮・金正恩との関係にひびが入り始めている。李チャンデ国家保衛相がモスクワで開かれたロシア国際安保会議に参加したが、招かざる客の扱いを受けた。李国家保衛相のモスクワ訪問の目的は、ロシア領内で北朝鮮を離脱する北朝鮮人を北朝鮮に送還することを求めるためだった。ロシアは、中国と違って国連難民条約に加盟しているため、離脱北朝鮮人を難民として扱い、本人の希望に従うことを原則としている。もちろん、ウクライナとの戦争の間は特殊事情として離脱北朝鮮人兵を捕らえていたが、停戦に伴い、ヨーロッパ西側諸国や韓国との関係を正常化するためにも、北朝鮮への強制送還要求には応じられないのだ。そこを何とか曲げてもらおうと李国家保衛相がプーチンとの面会を要請したが、結局会ってもらえなかった。
2025/7/2（水）「清津港で座礁した駆逐艦、復旧にも多数の犠牲…金正恩も認める」
5月21日に清津(チョンジン)港で座礁した駆逐艦「姜健(カン・ゴン)号」が復旧し、進水式をやり直した。事故直後、金正恩は6月中旬までに引き揚げて復旧させろと息巻いていたが、座礁船を引き揚げるような大型の機材もない北朝鮮で、どのようにして復旧したのだろうか。中朝国境に近い清津は携帯電話がよく繋がるため情報がよく入ってくる。それによれば、駆逐艦の引き揚げは人力で海底に石を積み、梃子で少しずつ持ち上げたのだという。進水式の際に横倒しになる駆逐艦を多くの人が身をもって引き留めようとしたため、多数の死傷者が出たが、座礁船を引き揚げる際にも、作業中に多くの人が犠牲になったという。このことは金正恩自身が演説の中で触れている。さらに、引き揚げたのはよいが、海水に浸った機械類、兵器類は使い物にならず、岸壁にぶつかってへこんだ鉄板も歪んだままだ。北朝鮮も海軍時代を迎えるのだとして、ロシアから導入した2艘の駆逐艦のうち、1艘目の「崔賢(チェ・ヒョン)号」は、ドックに海水を満たして進水する一般的な進水方式を採用したが、2艘目の「姜健号」の進水式は、金正恩が娘の前で良い格好をしようとしたのか、技術的に難しいスライディング方式を採用して大失敗した。数億ドルの資金を無駄にしたうえ、事故発生時と復旧時にそれぞれ数百人の犠牲を出した金正恩に対し、住民の怒りは高まるばかりだ。
2025/7/3（木）「北朝鮮のミサイル配置を熟知する脱北者に金正恩は戦々恐々」
米国トランプ大統領が世界史的に大きな決断を下した。これまで行先は北朝鮮だと見られていたB2爆撃機が、重さ13tの爆弾を積んでイランに向かい、真夜中に精密爆撃を敢行して核施設を壊滅させた。次こそは北朝鮮だと思われるが、北朝鮮の核施設や戦略ミサイル等について、我々はどれぐらいの情報を持っているのだろうか。実は1人の脱北者が重要な情報を伝えていた。彼の脱北・来韓時期を明かすことはできないが、人民軍総参謀傘下の戦略物資運搬を担う部隊に所属し、武器運搬・配置のための大型トラックや列車などを10年間運用していた人物だ。スクワッドミサイル、中短距離ミサイル、火星系列ミサイルなどが開発され、実戦配備される際に関わっていたため、何がどこに配備されたか、ダミーはどこにあり、本物はどこに隠してあるかなどの情報も熟知していたのだ。もちろん脱北後、国家情報院や国防部で情報を聞き取り、その全貌が把握された。しかし核施設については、正確な位置や、いくつあるのかなども分かっていない。さらに最近、北朝鮮では小型核弾道を開発しているようだが、どこに隠してあるのか、こういった情報を脱北者などの情報提供者から正確に把握必要がある。モサドが精密爆撃を成功させたのもイランの内部情報を命がけで丹念に収集し、準備した成果である。韓国はたまたま重要情報を持った脱北者から情報を得たようだが、核施設の情報など朝重要な情報には多額の報奨を与えることを広報するなど、より積極的な情報活動が必要な時である。
2025/7/4（金）「米国の金正恩と取巻き除去作戦は秒読み段階に入ったか？」
アメリカの世界戦略が明らかになってきた。イランは核施設と軍幹部、科学者らを壊滅させたが最高指導者ハメイニを殺さなかった。なぜならイランは宗教指導者が治める国ではあるが、個人が支配する国ではないからであり、その指導者の核開発の意志をくじくことが重要だからだ。一方、北朝鮮は明らかな個人支配の国であるため、金正恩個人を討つことに集中するというのだ。多くの専門家が、北朝鮮には核があるため北朝鮮を討つのは容易ではないと言うが、実は北朝鮮問題の解決策は極めてシンプルだ。トランプ大統領は1期目の時に、北朝鮮の軍事パレードの映像を見ながら、金正恩以下、幹部や精鋭部隊が勢ぞろいする中で行われる軍事パレードに爆弾を落とせばいいと言ったというではないか。北朝鮮の核問題解決の要点は、核の除去ではなく金正恩除去なのだ。
2025/7/5（土）「数千人の平壌市民に大惨事が襲いかかるか⁈…超高層マンションの恐怖！」
金正恩の肝いりで超高層マンションを盛んに建てているが、いくつものマンションが崩壊の危機に瀕している。未来科学者通りの53階建てマンションは、あちこちに亀裂が入ったり、タイルが剥がれたり、建物がみしみしと音を立てているため、不安になった住民が次々に逃げ出しているという。金正恩は、松花(ソンファ)通りにある80階建ての複合型超高層マンションを1年で完成したと吹聴しているが、1年で建てられる超高層マンションが安全なはずがない。黎明(ヨミョン)通りにある70階建てのマンションは肉眼で見ても傾いているのが分かる状態だ。韓国でも、世界の他の都市でも、高層マンションは上層階ほど値段が高いものだが、平壌の超高層マンションの上層階は誰も住みたがらないため、ただ同然である。平壌の超高層マンションの最上階にはコッチェビ（浮浪児）が住んでいると言われるほどだ。そもそも、北朝鮮では電気が絶対的に不足しているため高層マンションではエレベーターが使えないし、水をくみ上げることができないため、上下水道がないも同然で、トイレの水洗も使うことができない。そのため、上層階では大小便をビニール袋に入れて窓から外に捨てるので、下を歩く人がこれに当たって怪我したり、亡くなった人もいる。このように電気や水が使えない不便さも然ることながら、金正恩の指示で、短期間に不足する資材で無理に作らせるため、建物自体が崩れてしまうとは悲惨でしかない。（2025/4/28付動画の再放送）
2025/7/6（日）「北朝鮮の金塊、売却途上で刃傷沙汰の末、持ち逃げされる」
現金の不足に悩む北朝鮮では、手持ちの金塊を売却して凌いでいる。金正恩の資金管理部署である39号室や財政経理部、中央党秘書などが、それぞれ割り当てられた金塊を中国の密輸業者に売却するのだ。そんな中、昨年12月24日、約150万ドル相当の金塊を載せた船から、中朝間の公海上で中国の船に積み替え、これを中国・丹東の業者に引き渡すべきところ、この中国船に乗ったヤクザ者たちが、丹東の業者を片っ端から切りつけ、7人を死亡させ、3, 4人を負傷させて金塊を持ち逃げしてしまった。北朝鮮側から中国政府に捜査を依頼したが、そもそも北朝鮮の金塊の輸入は違法であるため、事件解決の見込みはないものと見られる。（2025/2/18付動画の再放送）
「ピョンヤン24時」ダイジェストについて
姜哲煥氏のYouTubeチャンネルにおいて、日々韓国語で語られている最新のトピックスを日本語に要約して紹介する。
姜哲煥氏は、京都に暮らしていた祖父母と父が帰国事業で1963年に北朝鮮に渡り、1968年に平壌で生まれた。9歳の時から10年間、家族とともに悪名高い「耀徳（ヨドク）強制収容所」に収容されたが、奇跡的に釈放され、脱北後1992年に韓国に亡命。10年間の朝鮮日報記者を経て、現在はNGO団体「北朝鮮戦略センター」の代表。韓国、北朝鮮はじめ国内外に様々なレベルの情報源を持ち、信頼度の高い情報をいち早く発信している。「守る会」結成間もない時期に日本に招待し、各地で講演を行っていただくなど、「守る会」との縁が深い。
邦訳著書
『平壌の水槽 北朝鮮地獄の強制収容所』（淵弘訳、ポプラ社）
『北朝鮮脱出』（安赫との共著）上・下（池田菊敏訳、文藝春秋 のち文春文庫）
『さらば、収容所国家北朝鮮』（ザ・マサダ）
