「ピョンヤン24時」ダイジェスト 2025/07/28-08/03

ピョンヤン24時

2025/7/28(月)「ロシア人もそっぽを向く元山カルマ地区、開業後数週間で全面閉鎖」

金正恩肝いりで開発された元山(ウォンサン)のカルマ観光地区が7月1日にオープンし、ロシア人を大々的に誘致しようと、7月12日にはロシアのラブロフ外相を招待したばかりだが、それから1週間もしないうちに、なんとカルマ地区への外国人の出入りを全面的に禁止してしまった。理由は明らかにされていないが、いくつかの原因が推測される。1つには、2000年前後に実施された韓国人の金剛山(クムガンサン)観光が影響しているのではないか。朝鮮半島随一の絶景を誇る金剛山を金大中政権期に南北平和交流の象徴として韓国人に開放したが、一方で北朝鮮の住民にとっては許可なく出入りできない地域であるため「人民の金剛山が南朝鮮の金剛山になった」という不満が高まった。今回もカルマ地区は人民の観光地ではなくロシア人を誘致して外貨を稼ぐための観光地となったのだ。それから、ロシア人記者が取材した平壌は、不便や不具合ばかりが続き、電気は途切れ、常に監視される状況を、いくら良く描こうと思っても良く描きようがなかった。周囲を見回せば、ビールを飲むグループ、海水浴を楽しむグループ、ビリヤードに興じるグループなど、どうみても不自然に演出された人々ばかりが目に付いた。これらを描いた否定的な記事がロシアで出回ったのだった。さらに、ロシア人に全面開放した7月7日、カルマ地区への観光ツアーの参加者はわずか12人に留まった。行っても面白くないし、珍しくもない北朝鮮への1週間のツアー代金が1800ドル(約25万円)とあまりに高額だったのだ。すべての原因は金正恩の稚拙で無計画な事業展開にあり、結果は悲惨そのものだというしかない。

[속보] 원산 갈마 휴양지 개방 일주일만에 전면 폐쇄...'러시아 등 외국인 전부 떠나라'
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2025/7/29(火)「数千人の平壌市民に大惨事が襲いかかる?!…超高層マンションの恐怖!」

金正恩の肝いりで超高層マンションが盛んに建てられているが、いくつものマンションが崩壊の危機に瀕している。未来科学者通りの53階建てマンションは、あちこちに亀裂が入ったり、タイルが剥がれたり、建物がみしみしと音を立てているため、不安になった住民が次々に逃げ出している。金正恩は、松花(ソンファ)通りにある80階建ての複合型超高層マンションを1年で完成したと豪語しているが、1年で建てた超高層マンションが安全なはずがない。黎明(リョミョン)通りにある70階建てのマンションは肉眼でも傾いているのが分かる状態だ。韓国でも、世界の他の都市でも、高層マンションは上層階ほど値段が高いものだが、平壌の超高層マンションの上層階は誰も住みたがらないため、ただ同然である。平壌の超高層マンションの最上階にはコッチェビ(浮浪児)が住んでいると言われるほどだ。そもそも、北朝鮮では電気が絶対的に不足しているため高層マンションではエレベーターが使えないし、水をくみ上げることができないため、上下水道がないも同然で、トイレの水洗を使うこともできない。そのため、上層階では大小便をビニール袋に入れて窓から外に捨てるので、下を歩く人がこれに当たって怪我をしたり、亡くなった人もいる。このように電気や水が使えない不便さも然ることながら、金正恩の指示で、短期間に不足する資材で無理に作らせるため、建物自体が崩れてしまうとはアイロニーでしかない。(2025/4/28付動画の再放送)

[속보] 김정은 평양시민 수천명 대재앙 참사 초래...려명 미래 송화거리 주민들 분노 폭발
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2025/7/30(水)「中国が密輸船とブローカーを根こそぎ押収逮捕…平壌の息の根を止めるか」

中国の煙台、大連、山東の沖で北朝鮮の船5隻が中国公安に差し押さえられ、中国側のブローカー30人も逮捕された。コロナ禍以降、中国政府が北朝鮮との密輸を厳に取り締まってきたが、密輸業者も大金が儲かり、取り締る側も賄賂で大いに潤うため、なかなか根絶に至らなかった。北朝鮮がロシアから金正恩と周囲の幹部の生活用品、必需品等を輸入するには、ロシアがヨーロッパや中国から輸入しなければならないため、結局中国からの輸入が頼みの綱だ。ところが、ロシアの戦勝記念日の時、プーチンが習近平と金正恩を和解させようと2人を招待し、金正恩も行くと返事していたのに、実際には行かなかったことから、中朝関係はますます悪化した。今回押収された5隻の船の積載物は金額にして3億ドル相当だったが、押収してすぐ競売処理し、全額を中国の国庫に入れてしまった。今回は物品だけでなく中国側の助力者まで根こそぎ逮捕されたため、いよいよ金正恩らも窒息死寸前に追い込まれていると言える。(2025/7/9付動画の再放送)

[속보] 중국 북한 숨통 끊는다...연관자 수십명 전격 체포 선박 5척 3억 달러 물품 전부 몰수
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2025/7/31(木)「北朝鮮の核施設による放射能汚染深刻…兵士も多数犠牲・集団逃亡も」

北朝鮮国内では核施設における放射能汚染が深刻化している。北朝鮮の放射能関連事故は各所で起きているが、まず豊渓里(プンゲリ)は、6回目の核実験によってこの一帯が放射能に汚染されてしまった。次に寧邊(ニョンビョン)核兵器基地は建設から40年が経ち、建物・施設の老朽化と核物質を扱う技術・システムの未更新により、九龍江(クリョンガン)両岸に広がる核施設が放射能汚染の地獄と化している。そして黄海道(ファンヘド)平山(ピョンサン)地区のウラニウム鉱山では、金正恩が核兵器製造強化のためにウラニウム精錬を急がせており、被害の拡大は急速かつ深刻だ。この地域に配備された131部隊での勤務経験のある脱北者の証言によれば、兵士らが集団で原因不明の病気や嘔吐・下痢の末、死亡するケースが多発していたという。工場内の労働者はもとより、その周辺を守備する兵士らまで次々に倒れるため、残った兵士たちの脱走が相次いでいるという。平安道寧邊の放射能汚染水は黄海に排出されると中国方面に拡散するが、黄海道平山からの放射能汚染水は漢江(ハンガン)河口付近に流れ出ており、韓国への直接的な影響が懸念されている。

[특종] 북한군 대재앙 발생...1개부대 급사 수백명 집단 탈영
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2025/8/1(金)「北朝鮮の一般住民が軍事境界線の地雷原を突き切って南へ!」

一人の北朝鮮住民が命がけで軍事境界線を越えて韓国へやってきた。今回の件で明らかとなったのは、韓国軍の精密監視システムがほぼ完璧だったということだ。彼が軍事境界線を越えた瞬間から、夜は熱感知システム、昼は映像監視システムを通して24時間監視を続け、南側に来る意思に間違いないことが確認されると、国軍は直ちに彼を安全に誘導して南側に迎え入れた。これまでは政権が交代すると脱北者への待遇が変わるという情報が広まっていたが、今や金正恩が韓国を無視すると発言し、韓国側からの呼びかけにも答えない状況になったことから、政権の交代とは関係なく、韓国へ行く意思さえ明確なら韓国行きは可能と考えるようになったということだ。また、軍人ではなく民間人が地雷原や高電圧鉄条網が設置された軍事境界線を突き切ってまで、命がけで南行きを決意したということは、北での生活がいかに苦しいかを物語るものだ。1ドルが3万ウォンと言われていたが、最近では5万ウォン台と言われるほど、ウォンの価値が大暴落している。昨年夏には中朝国境付近で大雨による洪水の被害が起き、いまだ復旧もままならないところへ、今年も梅雨前線による大雨の被害が追い打ちをかけている。今回は1人の脱北に留まったが、彼の後ろにはその何倍もの脱北志望者がいると考えるべき状況だと言えよう。

[특종] '죽어도 자유 대한민국 가서 살고 싶다'...지뢰밭 탈북 미스터리
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2025/8/2(土)「ロシア人記者が北朝鮮の真の姿を暴き金正恩が激怒!朝ロ関係破綻か?!」

元山カルマ・リゾート地区への外国人の入場が全面禁止になった原因は、ロシア外相の訪朝に同行した、「コメルサント」という日刊紙の記者の書いた記事が原因だったことが分かった。外相と共に招待し、リゾート地区の素晴らしさを宣伝する記事を書いてくれることを期待したのに、否定的な記事を書かれて金正恩が大激怒したのだ。記事にはこうあった。金正恩が来訪する前日は人っ子一人見られなかったリゾート地区に、金正恩の来訪以降、突然、現地の観光客が現れたが、それぞれの行動が演出された不自然なものだった。あるカップルは朝から晩までビリヤードばかりしていたし、海で遊ぶ人々も炎天下でずっと同じ場所で遊んでいて、リゾートに遊びにきたのではなく、監視員に24時間監視され、不自然な行動を強要された人々だったのだ。さらに、金正恩バッチをつけ、完璧なロシア語を話す案内人は記者を監視するために随行していたことが明らかだった。同じ社会主義を経験したロシア人の目にも欺瞞的で異様な実態だったことをありのままに書いために、金正恩の怒りを買ったのだった。過去にもロシアのヴィタリー・マンスキーという映画監督が、朝ロ合作で北朝鮮を称賛する記録映画を制作するために平壌を訪問し、そこで北朝鮮の良い面ばかりを映像に込めようとしたが、現地を体験する中であまりに異常で理不尽な実態に疑問を抱き、北朝鮮の意向に背いて、内緒で監視社会の異常さを描く映像を撮り、それを映画化して世界に暴露したことがあった。今回も同盟国ロシアの記者の鋭い目が北朝鮮の真の姿を暴き出した格好だ。

[속보] 북러 최악 '러시아 들 내쫓아'...러 기자 북한 민낯 기사에 파국 상황 도래
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2025/8/3(日)「平壌の新築高層ビルは張り子の虎、無法者ギャングと化した人民軍突撃隊」

金正恩が2021年から毎年1万世帯分の住宅を建設すると宣言し、このたび平壌の和盛(ファソン)地区の第2期工事竣工式に金ジュエと共に立ち会った。しかし、表向きの華やかさとは裏腹に、北朝鮮の住宅建設現場には、動員された人民軍突撃隊による凄まじい犯罪的行為が横行している。90年代初頭でも建設現場には突撃隊の若者が動員されていたが、まだ生活に余裕のあった当時も、彼らは傍若無人に振舞っていた。それが、現在では食糧配給もなく、ただきつい労働を強要されるだけで、報酬もない、将来の希望も何もない若者たちは、ルール無視、弱肉強食の中で生き残るしかない。賄賂で私腹を肥やす幹部たちを横目に、現場の若者たちはセメントや鉄筋、内装用品などの資材を横流しして小金を得るのだ。その中で、盗み、強盗、傷害、殺人、強姦などありとあらゆる犯罪行為が行われる。さらに悲惨なのは、今年の異常な暑さの中で、エアコンがないのはもちろん、建設現場では暑さに配慮して労働者を休ませたりしないため、熱中症の被害が続出しているのだ。ただでさえ電力不足のため、高層住宅でもエレベーターは動かず、上下水道も機能していないため、何万戸の住宅を建設しても意味がないのに、完成した高層住宅は、すべて張り子の虎のような、中が空洞の危険な建築物になってしまっているのだ。

[속보] 평양 화성지구 상상초월 대재앙 속출...북한 공안기관 총출동
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「ピョンヤン24時」ダイジェストについて

姜哲煥氏のYouTubeチャンネルにおいて、日々韓国語で語られている最新のトピックスを日本語に要約して紹介する。

평양 24시
평양24시는 김정은 정권의 중심인 평양을 중심으로 북한의 핵심정보들을 취재해 제공하는 TV입니다. 강철환 전 조선일보 기자와 전 언론기관 출신 편집자, 북한학 박사, 북한의 최고위층 엘리트, 핵심 전문가들과 함께 북한을 포함한 동북아시아 문제에 대해 심도있는 분석과 보도를 할 예정입니다...

姜哲煥氏は、京都に暮らしていた祖父母と父が帰国事業で1963年に北朝鮮に渡り、1968年に平壌で生まれた。9歳の時から10年間、家族とともに悪名高い「耀徳(ヨドク)強制収容所」に収容されたが、奇跡的に釈放され、脱北後1992年に韓国に亡命。10年間の朝鮮日報記者を経て、現在はNGO団体「北朝鮮戦略センター」の代表。韓国、北朝鮮はじめ国内外に様々なレベルの情報源を持ち、信頼度の高い情報をいち早く発信している。「守る会」結成間もない時期に日本に招待し、各地で講演を行っていただくなど、「守る会」との縁が深い。

邦訳著書
『平壌の水槽 北朝鮮地獄の強制収容所』(淵弘訳、ポプラ社)
『北朝鮮脱出』(安赫との共著)上・下(池田菊敏訳、文藝春秋 のち文春文庫)
『さらば、収容所国家北朝鮮』(ザ・マサダ)

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