「ピョンヤン24時」ダイジェスト 2025/09/22-09/28

ピョンヤン24時

9月22日(月)「ロシア派兵への不満の高まりに、金正恩が「配慮」施す?」

韓国国家情報院ではウクライナ戦に派兵された北朝鮮兵士の数を1万5千人と発表しているが、我々が把握した情報によれば、将兵10万人に労働者10万人を加えた約20万人に上ると推定される。しかも、勞動者といっても実際には武装していないだけで、戦場付近に送り込まれているものと見られる。これまで彼らには何の報酬も補償も支払われてこなかったが、北朝鮮国内でのあまりの不満の高まりに、ロシアから受け取る報酬の10%を、金正恩からの「配慮」という名目で兵士本人に支給することにしたという。将軍クラスだと月3千ドル、将校は月2千~2千5百ドル、一般兵は月千4~6百ドルが支払われているが、その10%を兵士に支払うというのだ。現在の北朝鮮の労働者の月給が0.3ドル、金正恩の秘密資金を扱う39号室の月給が23ドルであるから、10%に過ぎないとしても兵士に月150ドル以上が現金で支払われるとすれば、命を懸けた出征への褒賞としては納得できる金額だと言えよう。しかし、これが兌換紙幣(クーポン)で支払われるという。さらにこのクーポンを使えるのは平壌市内のロシア専門商店だけであり、そこに商品が十分にあるわけでもない。つまり騙してウクライナ戦争に行かせたうえ、その報酬の10%を「配慮」として紙切れ同然のクーポンで渡すという。どれだけ欺瞞を重ねるのだろうか。(2025/8/17付動画の再放送)

[특종] 희생 파병군인 가족 돌보겠다더니... 김정은 얼마나 다급했으면 사기성 정책 발표
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9月23日(火)「北朝鮮の外交官とその関係者6人が米国に亡命…外務省もなすすべなし?」

現在、国外に駐在する外交官が脱北(本国離脱)した場合、その公館を担当する安全代表(保衛部員)には処刑レベルの処罰を課すと脅しをかけている。にも関わらず、最近、外交官を含む6人が脱北し米国に亡命していた。韓国が尹錫悦政権から李在明政権に変わり、北朝鮮当局はむしろほっと一息ついていた。韓国の政権交代に、北朝鮮のエリート階級も韓国への亡命を躊躇するしかなくなった。李在明政権は北朝鮮との対話を望み、脱北者を北に送り返した文在寅政権と同様、この政権も脱北者に厳しいだろうと考えている。そのため最近は離脱後、米国やヨーロッパに亡命する場合が多い。上述の6人は、西ヨーロッパ、東ヨーロッパ、中国で離脱した外交官およびその家族だと推測されるが、現在、彼らは米国に亡命申請中である。米国が最もパワーのある国であり、最も安全であり、米国に身を寄せれば将来の統一の暁には何かしら役割を果たせるのではないかと考えるためでもあろう。また、米国には李ジョンホ元39号室局長、張スンギル元エジプト大使をはじめ、既に多くのエリート脱北者が定着している。金正日の息子の金漢率(キム・ハンソル)、金正恩の伯母の高容淑(コ・ヨンスク)など、金ファミリーも何人か米国に亡命し滞在している。そのため韓国が不安定化した今は、北朝鮮を離脱しようとするエリートたちが行く先は米国なのだ。以前、海外駐在の外交官が次々に離脱して大騒ぎになったことがあるが、それ以降、金政権は懸命に検閲し弾圧し封鎖している。それにも関わらず、外交官を含む6人が一度に離脱したことは深刻な事態であり、北朝鮮の外交ライン崩壊の兆候なのではないか。(2025/8/19付動画の再放送)

[특종]해외 북한 외교관 연쇄 탈북...이들의 망명 신청국 한국 아닌 이곳?
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9月24日(水)「30度を超える高級酒を飲む金ジュエに習近平も驚愕!」

中国の戦勝記念式のため金正恩と金ジュエが訪中したが、金父娘の振る舞いが国際的に顰蹙を買っている。金ジュエは公式行事には姿を現さなかったが、晩餐会には父と共に出席した。その際、乾杯のためにグラスに注がれた30度を超える高梁酒を12歳の金ジュエも飲み、これを見た習近平が不快そうな顔をした。これを見た金正恩は「この子が社会を勉強するにはこのぐらいのことは何でもない」と考えたようで、ジュエを諫めるでもなく平然としていた。金正恩も金ジュエも幼いころから両親や周囲の者から礼儀や道徳を学んでいないため、常識も道理も分かっていないのだが、周囲の中国人はみな驚いたようだ。

[특집] 중국 만찬장서 김주애 돌발행동에 모두 경악
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9月25日(木)「李雪主のいるべき場所に玄松月がいる意味は?」

先日の訪中時、金ジュエの存在が注目された、後継者説が云々されたが、それより夫人・李雪主のいるべき場所に玄松月がいたことが、後継者問題にとって重要な意味を持つのではないか。人目につく表立った動きより、目につきにくい現象に隠された意味がある可能性がある。これまでに金正恩、李雪主、玄松月の3人が揃って出席した行事の写真を見ると、金正恩と玄が同じ色のお揃いの恰好をし、李は違う色の服装だったことが何度もあった。それが一度や二度ではないため、見る者をして「何かあるな」と思わせるのだ。かつて韓国の実力派歌手の白チヨン氏が訪朝公演した際に、金正恩と李雪主は上下関係にあるように思われ、金正恩と玄松月こそ気の置けない親しい関係に感じられたと語っていた。昨年夏の新義州の水害の際もボートに乗った金正恩に同行していたのは玄松月だった。金日成も夫人・金正淑を支える内助が強調されるが、玄のこの時の行動は金正恩を支える姿を人々の記憶に残すものと思われる。つまり金正恩の後継者は李雪主の息子ではなく玄松月の息子であり、金正恩が一番かわいがっている金ジュエは、玄松月の息子を補佐する金与正のような役に育てるため連れて歩いているのではないか。

[특종] 리설주 좌석에 왜 현송월이?...김정은과 나란히 커플복 포착
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9月26日(金)「李善權が南北『二国家論』を勝手に解釈し粛清された?!」

2018年に南北首脳会談に同行した韓国大企業の総帥らを前に「冷麺が喉を通るか!(呑気に食事している場合か!)」と声を荒げたことで知られる李善權(リ・ソングォン)がついに粛清されたようだ。南北二国家論を唱え、今後「民族統一はない」とした金正恩の声明に対し、民族統一への願いが活動の原動力だった朝鮮総連が混乱に陥ったことから、代表幹部が訪朝してその真意を確かめた。その際、総連代表らの相次ぐ抗議に李善權が「二国家論は戦略的な名目で、実際には民族統一を放棄してはいない」と言ってしまったことが仇となったようだ。

[단독] 김정은 희대의 아첨꾼 리선권 숙청
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9月27日(土)「プーチン、金正恩に怒りぶつける!朝ロ関係は悪化の一途?」

中国の戦勝記念式の際、金正恩とプーチンが和やかな雰囲気を装っていたため朝ロ関係は良好であるかのように伝えられているが、実はプーチンが金正恩に激しく詰め寄る姿や、両国の外交官が激しく口論する様子が捉えられており、朝ロ関係は決して良好ではないことがわかる。実際、ロシアが北朝鮮と決別する準備を進めていると思われる兆候が認められる。ウクライナ戦争でロシア兵が数十万が戦死したことをロシアは公にしていないのに、北朝鮮は大々的な式典を通じて派兵の中から数多くの戦死者が出たことを公開した。これは北朝鮮内部の不満の高まりを抑えるためであると同時に、ロシアに対してアピールしプレッシャーをかける意図があったと思われる。プーチンはこれに憤っているのだ。ロシアは事実上米NATO国の後ろ盾とするウクライナ軍と戦っており、戦死者の数はもちろん北朝鮮の比ではなく、財政もひっ迫している。一方、昨年、金正恩が偵察衛星を5基打ち上げると発表し、そのうち1基はロシアの援助で打ち上げに成功したが、残りの4基が未だ手付かずだ。プーチンにすれば北にできるかぎりの援助をしたと考えているが、金正恩はもっとくれと迫っているのだ。元山(ウォンサン)カルマ・リゾートにロシア人を誘致すると息巻いていたが、これも結局1週間ほどで鳴りを潜めた。ロシア側の怒りは鎮まりそうもない。

[특종] 드디어 러시아 북한 관계 끝났다...푸틴 김정은에 고성 지르며 다툰 충격 이유
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9月28日(日)「平壌の超高層マンションが危ない!住民に退避命令が出た」

平壌市内に建てた50階建てのマンションが崩壊する危険があるとして、北朝鮮政府が住民に退避命令を出した。しかし代替住居が与えられるわけでもなく、とにかく出ていくように言われるという。そこで、もともとピョンヤンのマンションで自宅の空き部屋に別の家族を住まわせる「同居」というしくみを推奨している。金正恩は高層マンションをどんどん建てて平壌市民全員にプレゼントするという夢があるが、そんな技術力も資材もないまま、見かけだけは未来都市のような超高層マンションを建て続け、電力が圧倒的に不足するためエレベーターはもちろん、水も供給されない、したがって水洗トイレも使えない最悪のマンション群となっている。そこへ、ここへきてやっと崩壊の危険性が公式に発表されたわけだが、今後何十年も経たないうちに平壌は崩壊ビル群で埋め尽くされるのではないか。

[특종] 김정은 괜찮다더니 전부 사기...평양 한복판 초토화 주민 대피령 개시
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「ピョンヤン24時」ダイジェストについて

姜哲煥氏のYouTubeチャンネルにおいて、日々韓国語で語られている最新のトピックスを日本語に要約して紹介する。

평양 24시
평양24시는 김정은 정권의 중심인 평양을 중심으로 북한의 핵심정보들을 취재해 제공하는 TV입니다. 강철환 전 조선일보 기자와 전 언론기관 출신 편집자, 북한학 박사, 북한의 최고위층 엘리트, 핵심 전문가들과 함께 북한을 포함한 동북아시아 문제에 대해 심도있는 분석과 보도를 할 예정입니다...

姜哲煥氏は、京都に暮らしていた祖父母と父が帰国事業で1963年に北朝鮮に渡り、1968年に平壌で生まれた。9歳の時から10年間、家族とともに悪名高い「耀徳(ヨドク)強制収容所」に収容されたが、奇跡的に釈放され、脱北後1992年に韓国に亡命。10年間の朝鮮日報記者を経て、現在はNGO団体「北朝鮮戦略センター」の代表。韓国、北朝鮮はじめ国内外に様々なレベルの情報源を持ち、信頼度の高い情報をいち早く発信している。「守る会」結成間もない時期に日本に招待し、各地で講演を行っていただくなど、「守る会」との縁が深い。

邦訳著書
『平壌の水槽 北朝鮮地獄の強制収容所』(淵弘訳、ポプラ社)
『北朝鮮脱出』(安赫との共著)上・下(池田菊敏訳、文藝春秋 のち文春文庫)
『さらば、収容所国家北朝鮮』(ザ・マサダ)

姜哲煥氏関連書籍(Amazon)

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