北朝鮮が最近、兵士1人当たりの1日の穀物配給量を従来の620グラムから580グラムに削減したことが確認された。政府高官筋は14日、東亜(トンア)日報の電話取材に対し、「北朝鮮が軍への配給量を減らしたのは2000年代に入って初めて」とし、「優先配給対象である軍の食糧まで減ったことは、北朝鮮の食糧難が深刻な状況であることを意味する」と話した。北朝鮮の主要都市では、住民に対して軍用米の備蓄などの名目で2、3日に1回、「愛国米」を出すよう促しているという。
東亜日報の取材を総合すると、当局は、複数の北朝鮮の情報を分析し、北朝鮮が軍穀物配給量を減らした状況を把握している。北朝鮮は通常、住民1人当たりの1日平均の穀物配給量を500グラム半ばから後半に設定している。軍人1人当たりの配給量が580グラムになったということは、配給順位の最上位にいる軍も一般住民の水準まで配給量が減ったことを意味する。北朝鮮の食糧配給体系は1~9等級(等級が高いほど配給量が多い)に分類され、通常、兵士は3等級以内に入るという。北朝鮮の農業問題に詳しいGS&Jインスティテュート北朝鮮・北東アジア研究院の権泰進(クォン・テジン)院長は、「軍の配給量を減らしたことから、北朝鮮が通常100万トン以上備蓄している戦時に備えた軍糧米も底をついた可能性がある」と分析した。
別の政府筋によると、北朝鮮が昨年実施した軍事訓練も2021年と比較して10~20%減少したという。北朝鮮はエネルギー不足を理由に空軍の夜間訓練などはほとんどできない状況だという。
申晋宇 niceshin@donga.com · 孫孝珠 hjson@donga.com
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