「ピョンヤン24時」ダイジェスト 2024/12/30-2025/01/05

ピョンヤン24時

12月30日(月)「対北朝鮮支援事業の実態…補助金を金正恩に届ける詐欺」

金大中の息子の金弘傑(キム・ホンゴル)が立ち上げた民族和解協力汎国民協議会(民和協)が北朝鮮に塩を送る「対北塩支援事業」を立ち上げ、全羅南道から5億ウォンの補助金を受け取ったが、北朝鮮に塩を送る必要があるだろうか。北朝鮮には塩田もあるし、人手にも困っていないので、わざわざ韓国から塩を送る必要などない。なのに民和協は補助金を受け取り、1000トンの塩を送ろうとしたが400トンが足りない、コロナ時期で事業できなかったなどと誤魔化し、補助金返還を拒否していた。現在、捜査を受けているが、これは詐欺である。似たような事例として、北朝鮮にいくらでもいるヤギを韓国からわざわざ送る事業があった。また、平壌に科学技術大学を作る資金を、教会の献金で支援するという事業もあったが、その結果、北朝鮮に大量のハッカーが養成され、韓国はそのハッキングをさんざん受けることとなった。そのほか、北朝鮮の山に木を植えると言って苗木を送る事業もあったが、北では燃料がないため住民が薪として燃やしてしまうので意味がない。いずれも南北協力を装って国や地方の補助金などを受け取って、金正恩の懐を膨らませただけに終わっている。

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12月31日(火)「平壌のど真ん中にブルドーザー出動…最近発覚した仰天事件」

韓国や日本をはじめ、自由主義国には必ず遊興街があるが、北朝鮮では遊興行為は金正恩にだけ許されており、党幹部であっても見つかれば処罰される。ところが平壌市平川区のある高級レストランが秘密裏に、お金と権力を持つ幹部だけに特別な接待をおこなっていた。ある程度のレベル以上の家庭の美女を集め、チップとして幹部の月給を上回る$50を渡すという超高級遊興施設で、人民軍総参謀部、人民軍護衛司令部、保衛局、国家保衛省、内閣、外務省など最高位幹部ばかりが利用していた。これを、あるおべっか使いが金正恩に密告したところ、頭にきた金正恩が「今すぐブルドーザーで店ごと潰してしまえ!」と命じ、客や従業員が中にいる店ごとブルドーザーで押し潰させてしまったという。自分だけは喜び組に囲まれて好きなことをし放題なくせに、他人に対しては徹底的に残忍な金正恩である。こんなことがまかり通るのは北朝鮮だけであろう。

[속보] 평양 한복판 불도저에 날벼락...최근 드러난 엄청난 사건에 난리났다
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1月1日(水)「中国、北朝鮮に観光・留学ビザの発行を取りやめ全員帰国へ」

これまで中国は北朝鮮に観光ビザや留学ビザを発行し、実際には外貨稼ぎをさせることが多々あったが、今回、中国は北朝鮮に対し一切のビザ発行を取りやめた。食堂の従業員らには全員帰国を促しており、中朝国境の町・丹東では集団で北朝鮮に帰国する姿が韓国KBSの番組取材で取り上げられた。一方で、以前お伝えしたように、脱北者らには臨時居留証を発行し、安い賃金で働かせている。つまり中国は北朝鮮からの合法的な入国は認めず、不法に居留・就労する脱北者を逆に公認しているのだ。彼らの賃金は中国の農民工よりさらに安いため、中国にとっては好都合なのだ。2024年は中朝国交樹立70周年だったが、記念行事はなかった。また、8月1日の中国人民解放軍の記念日に、韓国軍の代表団は参加したが、北朝鮮軍からは参加がなかった。10月10日の北朝鮮の労働党創建記念日には平壌の中国大使館から花輪が送られただけだった。両国にとって最も重要な記念日をお互いに無視するまでに、中国と北朝鮮の関係は冷え込んでいる。北朝鮮はロシアに接近することに望みを託しているようだが、ウクライナ戦争が終わればロシアに相手にしてもらえるはずもなく、北朝鮮は滅亡の道へと向かっている。韓国の尹政権が安定していれば、この機会を活かすことができるのに残念なことである。

[속보] 북한 '유학 관광비자라도 제발 도와달라' 구걸...중국 단칼에 거절 '안나가면 강제 추방' 으름장
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1月2日(木)「北朝鮮兵をウクライナ戦で無駄死にさせないためには?」

ロシアのウクライナ戦線に派兵された北朝鮮兵士はもはや戦意を喪失し、誰もが逃げることだけを考えているという。その理由は、まず金正恩が派兵された人民軍兵士の生還を望んでいないことである。ロシア兵が死んだ北朝鮮兵士の顔を火炎放射器で焼いて身元を隠蔽し、遺体をそのまま放置する映像がネット上に流れた。この獣以下の扱いを知った北朝鮮兵士は、自分も死んだらああなるのかと思うといたたまれないに違いない。ロシア人ブロガーが北朝鮮の兵士は勇猛で、ウクライナ軍を襲撃して戦果を挙げたと嘘の宣伝をしているが、実態は、山も木もない平原でどう戦えばいいのかもわからないままドローンの餌食になっているかと思えば、集団で攻め入ったところを直撃弾で全滅させられたりしている。傷を負った兵士らは病院に収容されるが、彼らは帰宅を許されるのではなく、しばらくするとまた戦場に送り込まれる。つまり死ぬまで闘わされるのだ。しかも死んでも国に返されるのでも丁重に葬られるのでもない。ウクライナ政府は現在、投降すれば受け入れて本人の意思に沿う扱いをするということを北朝鮮兵向けのビラなどで明らかにしている。これ以上、彼らを無意味な死に追いやらないためにも、我々は戦略的にどう対応し、どう行動するかを考える必要がある。

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1月3日(金)「派兵の対価として平壌にロシア製の最新型防空ミサイル導入」

ロシア版THAADと言える防空ミサイルS400の砲台が最近、平壌入りした。これまで北朝鮮にはミサイル防御システムがなかったが、中国やトルコが購入したS400を北朝鮮でも導入したのだ。イランが旧バージョンのS300を導入したところ、イスラエルの戦闘機が上空を通過した際に役に立たなかったというが、最新バージョンのS400は共産圏で広く使われている。中国は2014年度に3つの砲台を30億ドルで購入した。1つの砲台に8つの発射車両があり、1つの車両に10の砲門があるため、中国の3大都市をカバーできるという。北朝鮮が購入した砲台がいくつなのかは確認されていないが、2台とすれば、ロシアに派兵した北朝鮮兵士の血の代償としての20億ドルで、米国のF35やB-1、B-2爆撃機、そしてキラードローンから自分の命だけは守ろうとしているのだ。

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1月4日(土)「夫婦同伴の祝賀会に李雪主が不在、玄松月が一人参加の理由とは?!」

新年1月1日には北朝鮮でも新年の祝賀会が開かれたが、今回の注目点は金正恩の息子を公開する時期が近付いたか、ということだ。祝賀会には金正恩が娘の金ジュエを連れて現れ、金与正も子供たちを連れて参加した。ところが不思議なことに、他に参加した党幹部たちはみな夫婦同伴で参列したのに対し、金正恩の妻・李雪主と金与正の夫は姿を見せなかった。一方、金正恩を補佐する形で現れた玄松月も夫を伴っていなかった。玄松月には夫がいるのかどうかさえ不明なのだが、確かなことは金正恩を取り巻く女性たちを仕切っていることだ。10数年前に彼女は金正恩との仲を噂され、テレビで妊娠中の姿を公開したことがあるが、その時のお腹の子が金正恩の子供なのではないか。李雪主にも男と子がいるが、病弱であるなど将来指導者となるには問題があるようだと言われている。今回の祝賀会の様子を見るにつけ、どうやら玄松月の生んだ男の子が将来、金正恩の後継者となるのではないかという確信が湧いてくる。

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1月5日(日)「新年迎えたウクライナの北朝鮮軍、兵舎で酒飲み大騒ぎ」

新年になり、ウクライナ戦で死亡した北朝鮮兵は3千人に上るとのニュースが世界を駆け巡った。本放送でも1か月ほど前に「死傷者は5千人近くに上ると見られる」という形でお伝えしたが、おそらく今では5千人を優に超え、派兵された1万2千人がほとんど戦闘不能なのではないか。派兵の中には党幹部の子弟は1人も含まれておらず、財力も権力もない家庭の子弟ばかりが戦場に送られていたことを以前お伝えしたが、今回新たに分かったのが、暴風軍団として派兵された中にかなりの数の犯罪者が含まれていたということだ。北朝鮮の軍隊では日ごろから不足する食糧を賄うため盗みや強盗が当たり前となっているため、軍隊での犯罪者とは殺人や暴力、強姦などを犯した者を指す。そんな軍人を集め、「社会復帰させてやる」としてウクライナ戦に送り込んだのだ。派兵された北朝鮮兵士の誤射やロシア兵士とのいざこざが伝えられたのも、そのような不良軍人を送り込んだせいだろう。1月1日には北朝鮮兵士が兵舎で酒を飲んで大騒ぎしたという。戦争中の兵舎で軍人が酒を飲むなど考えられないことだ。彼らは全員「捕まれば反逆者、死ねば英雄」として自殺用の手榴弾を持たされているという。そんな中、北朝鮮兵士を投降させるための心理戦をウクライナ軍が韓国政府と協力して行うと言っていたが、現在は韓国内の混乱のため国家情報院や韓国軍がうまく対応できていないようだ。実に痛ましく、もどかしい限りだ。

[속보] 새해 우크라 북한군 병영서 대형사고 터졌다...동료 상관 우방군 가차없다
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「ピョンヤン24時」ダイジェストについて

姜哲煥氏のYouTubeチャンネルにおいて、日々韓国語で語られている最新のトピックスを日本語に要約して紹介する。

평양 24시
평양24시는 김정은 정권의 중심인 평양을 중심으로 북한의 핵심정보들을 취재해 제공하는 TV입니다. 강철환 전 조선일보 기자와 전 언론기관 출신 편집자, 북한학 박사, 북한의 최고위층 엘리트, 핵심 전문가들과 함께 북한을 포함한 동북아시아 문제에 대해 심도있는 분석과 보도를 할 예정입니다...

姜哲煥氏は、京都に暮らしていた祖父母と父が帰国事業で1963年に北朝鮮に渡り、1968年に平壌で生まれた。9歳の時から10年間、家族とともに悪名高い「耀徳(ヨドク)強制収容所」に収容されたが、奇跡的に釈放され、脱北後1992年に韓国に亡命。10年間の朝鮮日報記者を経て、現在はNGO団体「北朝鮮戦略センター」の代表。韓国、北朝鮮はじめ国内外に様々なレベルの情報源を持ち、信頼度の高い情報をいち早く発信している。「守る会」結成間もない時期に日本に招待し、各地で講演を行っていただくなど、「守る会」との縁が深い。

邦訳著書
『平壌の水槽 北朝鮮地獄の強制収容所』(淵弘訳、ポプラ社)
『北朝鮮脱出』(安赫との共著)上・下(池田菊敏訳、文藝春秋 のち文春文庫)
『さらば、収容所国家北朝鮮』(ザ・マサダ)

姜哲煥氏関連書籍(Amazon)

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