2025/5/19（月）「残り少ない友邦国もついに北朝鮮と絶縁！次はロシアか？」
シリアが韓国と国交を結ぶことによって、北朝鮮は数少ない友邦国を失った。キューバもかつては北朝鮮と永遠の盟友関係だとされていたのに昨年2月、あっさり北朝鮮との縁を切り、韓国と国交を結んだ。シリアのアル・アサドは金正恩と親密な関係を保ち、特に軍事的にシリアは北朝鮮の支援を受けていた。しかし昨年12月、アサド政権が崩壊したことにより、シリアも韓国を選んだのだ。ついに北朝鮮の友邦国はロシアを残すのみとなった。現在、戦争中のロシアは北朝鮮との関係を保たなければいけないが、戦争が終わったらどうなるかわからない。ロシアと韓国は既に交易・交流が行われていた関係であり、韓国のLG、三星、Kカルチャーなどはロシアで大変な人気である。しかしロシアと北朝鮮とが軍事同盟の関係にある限り、韓国企業がロシアに進出するのは難しい。戦争が終結し、ロシアの社会経済が正常化しようとする際、韓国語の関係は重要なはずだ。プーチンも金正恩との義理だけを重んじるとは思えず、キューバやシリア同様、北朝鮮と距離を置く日は遠くないだろう。6月の大統領選挙の結果がどうなるかはわからないが、新政権にはこのような好機を逃さないでほしいものだ。
2025/5/20（火）「北朝鮮の後継者問題はどんな結末に？偵察総局がマカオを注視」
金正恩政権の後継者に関して、中国政府が深刻なカード準備している。これまで金正男(キム・ジョンナム)の息子としては金ハンソルが知られていたが、彼は2番目の妻の李ヘギョンの子である。彼は反政府団体の「自由朝鮮」の支援を受けてインタビューを行い、これが世界的に知られるきっかけとなった。しかし、先日もお伝えした正妻シン・ジョンヒの子である金クムソルの方が、嫡子であり、後継者としてははるかに有力だと言える。母のシン・ジョンヒは対外連絡部の工作員だった女性で、出身成分も非常に良い。金ハンソルも聡明でスマートだが、金クムソルも劣らず聡明でスマートな青年だ。彼ら母子は現在、中国政府の特別な保護の下でマカオに暮らしており、北朝鮮の偵察総局が彼らを捉えて本国連れ帰ろうとしても、接近すらできずにいる。現在、北朝鮮は適当な後継者を明確に立てられずにいる一方で、中国は北朝鮮の政権を交代させたいと考えており、かつ、金正日の長男・金正男の嫡子で最有力な後継者候補である金クムソルを保護しているのだ。北朝鮮としては金クムソルの存在に神経を尖らさざるを得ない状況だ。
2025/5/21（水）「平壌から李雪主が4人目の子を出産したとの情報が！後継者問題は？」
金正恩の子を産んだ女性たちが火花を散らしあっている。息子が後継者になるかどうかで、女性たちの運命も天国と地獄ほどに違ってくるからだ。正妻である李雪主(リ・ソルチュ)には息子がいるものの、心身に問題があって後継者には適さないとされ、金ジュエともう一人の娘しかいない彼女は立場が弱かった。しかし今回、平壌の幹部クラスから、李雪主が出産したという情報が入った。子供の性別はまだ不明だが、李雪主がそこそこの年齢となってなお出産したからには、男の子である可能性が高いと見ている。もちろん生まれたばかりの赤ん坊が後継者となれる年齢まで金正恩の寿命が持つかどうかは怪しいが、既に男の子を生んでいる玄松月(ヒョン・ソンウォル)やリョ・シムにとっては非常事態だというしかあるまい。
2025/5/22（木）「若い脱北女性に北朝鮮国連駐在大使が暴言吐き、全世界が驚愕！」
幼い時に脱北して韓国に定着し、高等教育を受けた2人の若い女性（金ウンギさんとカン・ギュリさん）が、国連総会初の北朝鮮人権関連高位級会議で、北朝鮮の人権侵害状況を見事な英語で証言した。これに対し、総会に出席していた北朝鮮の金ソン国連駐在大使がとんでもない暴言を吐いて、世界を驚かせた。幼いころ両親が北朝鮮政府の犠牲になり、苦労して脱北した彼女たちのことを、「家族を見捨て、見殺しした、人間のクズ」と言ったのだ。彼は、国連の場で北朝鮮の批判をするとは、家族が収容所送りになり殺されてもいいのか、と言いたかったのだろう。家族が殺されるとすれば、それは彼女たちのせいではなく、北朝鮮政府のせいではないか。彼女たちは自分の身の上話をしたわけではなく、高校生が韓国ドラマを見たという理由で処罰されたり、処刑されたりする北朝鮮の実情をありのままに訴えただけなのだ。しかし、金ソン大使も、若い女性たちに本心から「人間のクズ」などと言ったわけではないかもしれない。それぐらい言わなければ彼も北に帰って処罰されることになるからだ。結局のところ、そのすべてが北朝鮮自身の顔に泥を塗る結果となっているのだ。
2025/5/23（金）「金正恩・金ジュエの目の前で駆逐艦の進水式が大事故に！」
金正恩肝いりの2番目の駆逐艦が、進水式で進水し損ねて横倒しになる事故が起きた。海軍関係者や近隣の住民ら数万人が見守る中、金ジュエを連れた金正恩の目の前で起きた大事故に、金正恩は「容赦ならない大型犯罪行為だ」と言って激怒した。しかし問題は、この一瞬の事故で数百人が死傷したことである。事故の起きた清津(チョンジン)港は中朝国境に近いため、現地の情報がすぐに入ってくる。それによると、事故の瞬間、人民軍の将校たちが船に駆け寄って何とかしようとしたため、事故に巻き込まれてしまったというのだ。従って、金正恩の言う「犯罪行為」というのは、もちろん莫大な費用をかけた船に損傷を与えたこともあるが、将校たちに誤った行動をさせ死に追いやった人民軍幹部の責任を言っているものと思われる。北朝鮮では、山火事になった時、木が燃えそうになるのを人々が体を張って防いだことが美談とされるほどだから、将校たちが船の損傷を体で防ごうとしたのはある意味、自然な行動だと言える。この事故の原因として、金正恩体制への不満からわざと事故が起こるように仕向けたという噂や、船が未完成なのに金正恩がいついつまでに完成させろと無理な指示をし、おべっか使いの幹部らが安請け合いをして作業を急がせたために事故が起きたのだという噂が現地で囁かれている。事故を受けて、金正恩は党全員会議を招集すると明言したので、今回の事故に関わった海軍司令部、国防科学院、造船所など、多くの関係者らが責任を取らされて処罰・処刑されることになるだろう。叫び声、怒鳴り声で騒然となった事故現場での死傷者だけでなく、さらに大量の犠牲者が出るであろう今回の事故は、金正恩政権も終焉に近づいていることを予言するものなのではないだろうか。
2025/5/24（土）「金正恩の秘密資金3千万ドル持ち逃げ犯の写真を初公開」
いろいろと問題や噂の絶えない人民軍保衛部の朴ウォニル少将の写真を初公開する。北京にいた彼は昨年の夏、金正恩の秘密資金を持ち逃げしようとしたが北朝鮮に確保され本国に送還され処刑されたと思われていたが、実は既に第三国で安全に暮らしていることが分かった。昨年の夏ごろ、金正恩がロシアに提供していた銃弾・砲弾があまりに旧式で粗悪だったため、製造工程をグレードアップするため、CNC旋盤などの先端工作機械を1億ドルかけて中国から輸入しようとしていた。しかし、そもそも中国から北朝鮮への軍事物資の輸出は禁じられていたうえ、朴少将の金銭の問題もあって、3千万ドルを持ち逃げしようとしたのだったが、中国安全部に摘発され、この資金は没収されて中国の国庫に納められた。結局、精密機械は北朝鮮に計画通りもたらされず、残りの7千万ドルもどうなったのか不明である。北朝鮮政府としてはその一部でも返してほしいと交渉しているが、既に半年以上、中国政府に拒まれたままである。
2025/5/25（日）「中国が北朝鮮の密輸船を一網打尽に！数十人が逮捕、船ごと没収」
先日、中国の煙台や大連沖に停泊する北朝鮮の密輸船が中国政府によって一網打尽にされたニュースをお伝えしたが、この事件と関連して中国人ブローカー30人が追加逮捕された。コロナ事態以降、中朝間の密輸は厳しく禁じられていたが、海を通じた密輸は一向に絶えず、国境付近の公安も密輸業者から上納金を受けて私腹を肥やしていた。これに対し、中国政府は密輸業者を根絶やしにするための大規模な作戦に出たのだ。北朝鮮が必要とする物資、特に金正恩専用の1号品は、ロシアではなく中国から購入しなければ間に合わないのに、中国との関係が破綻してしまった。プーチンも、習近平と金正恩を若いさせようとロシアの戦勝記念日に2人を招待したが、金正恩がこれをすっぽかし、もはや手の施しようがない。そのうえ密輸さえも徹底的に遮断することで、中国に首を絞められた北朝鮮は窒息死しかけている。
「ピョンヤン24時」ダイジェストについて
姜哲煥氏のYouTubeチャンネルにおいて、日々韓国語で語られている最新のトピックスを日本語に要約して紹介する。
姜哲煥氏は、京都に暮らしていた祖父母と父が帰国事業で1963年に北朝鮮に渡り、1968年に平壌で生まれた。9歳の時から10年間、家族とともに悪名高い「耀徳（ヨドク）強制収容所」に収容されたが、奇跡的に釈放され、脱北後1992年に韓国に亡命。10年間の朝鮮日報記者を経て、現在はNGO団体「北朝鮮戦略センター」の代表。韓国、北朝鮮はじめ国内外に様々なレベルの情報源を持ち、信頼度の高い情報をいち早く発信している。「守る会」結成間もない時期に日本に招待し、各地で講演を行っていただくなど、「守る会」との縁が深い。
邦訳著書
『平壌の水槽 北朝鮮地獄の強制収容所』（淵弘訳、ポプラ社）
『北朝鮮脱出』（安赫との共著）上・下（池田菊敏訳、文藝春秋 のち文春文庫）
『さらば、収容所国家北朝鮮』（ザ・マサダ）
