「ピョンヤン24時」ダイジェスト 2025/06/02-06/08

ピョンヤン24時

2025/6/2(月)「徳川炭鉱の落盤事故で十数人が生き埋め…自力で出にも限界」

平安道の徳川(トクチョン)炭鉱で大規模な落盤事故が起こり多数の犠牲者が出た。石炭は、掘って中国に売れば外貨稼ぎできるため、北朝鮮の軍部、保衛部、内閣などの各機関がそれぞれに石炭採掘に力を入れている。しかし安全意識の欠如から炭鉱での事故は頻繁に起こっている。徳川炭鉱も実は10年前に採掘を試みたがうまず放棄した現場で、採掘を再開して間もなく起きたものだ。しかも高校卒業したての若者で15,6人の小隊を編成して炭鉱に送り込んだり、罪を犯した青年を刑務所の代わりに炭鉱に行かせているという。今回は2人が自力で脱出し、3,4人が救助され、残りは生き埋めのままだという。北朝鮮にはまともな救助装備もない中で、救助の見込みはほとんどない。落盤事故はここ1,2年の間に数十件起こり、犠牲者は数百人に上ると伝えられる。石炭に限らず、鉛・亜鉛やレアアースが出るとなれば無分別に掘ってかかるため、類似の事故が頻発している。強風の中、落下傘部隊を落下させて多数が墜落死したり、経験も資材も不足する造船所で無理に造船させて起きた事故に比べれば、徳川炭鉱の落盤事故は、まだましな方かもしれないと思ってしまうほど、北朝鮮は安全不感症で滅びるのではないかという気がする。

[특종] 덕천 탄광 붕괴로 어린 광부 소대 매몰...가족들 발 동동 당국 나몰라라
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2025/6/3(火)「金正恩、ついに育ての親の李スヨン元スイス駐在大使を粛清!」

スイス大使を長く勤めた労働党秘書で、スイス留学中の金正恩の養父のような存在だった李スヨンが、ついに粛清されて監獄送りとなった。当初、金正日(キム・ジョンイル)の後継者は長男の金正男(キム・ジョンナム)と目されていたため、遠くスイスに捨て置かれていた幼い正恩(ジョンウン)、与正(ヨジョン)、正哲(ジョンチョル)の三兄弟の面倒を見たのが李大使と玄松月(ヒョン・ソンウォル)だった。金正恩政権の出奔後まもなく無残に処刑された張成澤(チャン・ソンテク)と非常に近しい関係にあった人物で、改革開放路線への意思も共有していた。そのため、張成澤が処刑された際、李大使も逮捕され、粛清者名簿に名前が挙がっていた。しかし、金正恩は父親のような李大使を名簿から外させ、その後、李大使は起死回生して、労働党中央委員会秘書にまで上り詰めた。ところが、ヨーロッパ滞在経験の長い李大使が、かつて「海外で勤務する外交官や軍人が金日成・金正日のバッチをつけていると周りから警戒されるので、海外ではバッチを外してはどうか」と進言し、金正恩もこれに同意していたことがあったが、今回突然、その前歴を取りざたされ、反革命分子として粛清されるに至ったのだ。国際感覚も優れ、金正恩には忠誠を尽くしながらも、合理的な判断から、意見や提案を惜しまなかった有能な人材を、こうして切り捨てるようなことをするから北朝鮮に未来はないのだ。

[속보] 김정은 양아버지 리수용 어이없는 실수로 숙청
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2025/6/4(水)「世界の外交史上初の衝撃事件…領事館が丸ごと消えた!」

中国瀋陽の北朝鮮総領事館に勤めていた外交官が、全員本国に召還された後、国家保衛省の地下にある拘禁施設に入れられ、労働党組織指導部の取り調べを受けたという。北朝鮮の総領事館の中で唯一、瀋陽総領事館は外交官全員が国家保衛省の所属となっている。これに対抗して、韓国の瀋陽総領事館も国家情報院の管理下にある。つまり瀋陽は中国における北朝鮮・韓国の情報戦の最前線なのだ。その瀋陽北朝鮮総領事館が、コロナ渦の間、本国との往来も資金も途絶えて、生きるために止む無く情報を外国の情報機関に売ったのだ。金正恩が病気だとか手術をしたとかいう極秘情報が、中国を通じて外部に流れ続けたのはそのためだった。さらに、最近話題となった衛星電話や特殊USBの北朝鮮への流入などは、瀋陽領事館が厳格に取り締まっていればありえないことなのに、現実に多発している。そのため瀋陽領事館はスパイの巣窟とみなされ、呼び戻された外交官らは取り調べの後、既に一部は処刑され、政治犯収容所や炭鉱に送り込まれたという。しかし、世界中の北朝鮮の領事館が、本国からの資金が途絶えて、生活費さえ自前で稼ぐしかない状況にあるので、北の情報を外国に売り渡す行為は世界中で行われていることだろう。

[특종] 북한 외교 역사상 최초의 충격 사건 터졌다...영사관 통째로 사라졌다
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2025/6/5(木)「人民軍保衛部総政治局長が粛清に!人民軍は既に瓦解の道へ?」

北朝鮮人民軍が瓦解しつつある。金正恩が5月28日に開いた労働党中央軍事委員会拡大会議で、人民軍トップの鄭京擇(チョン・ギョンテク)総政治局長の階級を格下げした。これにより鄭京擇以下の人民軍将官数百人の階級がすべて順次1階級ずつ下げられることになった。人民軍将官には屈辱の措置である。また、人民軍保衛部のトップである人民軍保衛局長が、軍の統制を怠ったとして解任された。人民軍保衛部は人民軍内の反体制活動や不正行為を取り締まる部署だが、そのトップが解任されたということは人民軍内部で深刻な事態が起きていることを示唆する。人民軍の中に軍事機密を韓国の国家情報院や米国CIA、イスラエルのモサド、或いは日本の公安に売り渡すといった売国行為が横行しているのだ。かつては人民軍が各種の利権事業に介入して小遣い稼ぎをしていたが、近年、金正恩が人民軍による事業介入を禁じてしまったため、金に困った保衛部が情報を売ったのだ。しかも、本来このような行為を取り締まるべき保衛部が率先していた。また、近年、人民軍から脱走する兵士が急増している。衣食を保障されず、何かというとすぐ殴られたり政治犯として処罰されたりするため、若い兵士たちは命の危険も顧みず逃げてしまう。さらにカッとなって銃を乱射したり手りゅう弾を投げつけたりといった事件も多発している。いまや人民軍は統制不能状態であるだけでなく、金正恩政権を守るための人民軍が、北朝鮮人民を守るための人民軍に様変わりして、政権打倒に動く可能性も否定できない状況となった。

[속보] 인민군 보위국장 조경철 숙청...군 서열 1위 등 수십명 장성 강등
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2025/6/6(金)「被害は大したことないとしていたが再使用は絶望的」

清津港の駆逐艦横倒し事故について、北朝鮮当局は当初、大した損傷がないため、6月中旬には引き揚げて使用に供すると発表していたが、どうやら実際にはくず鉄と化しそうだ。2018年にノルウェーの護衛艦が座礁した事故があったが、駆逐艦より小さなこの護衛艦を4か月かけて引き揚げた。しかし、破損部分を修理する費用が新たに建造するより高くつくということで、結局、船は廃棄されたのだ。清津の駆逐艦の建造には10億ドルかかっており、北朝鮮はそれを超える費用には耐えられまい。中国やロシアに支援を要請したが、その費用対効果の低さに拒絶された。人民の生活を犠牲にして高価な駆逐艦を導入した挙句、進水式で金正恩親子はじめ関係者、近隣住民が見守り、全国中継される中で、一瞬にして使い物にならなくしてしまい、金正恩はともかく、人民の怒りはいかほどだろうか。この駆逐艦の事故は単なる物損事故にとどまらず、金正恩体制を揺さぶる要因として作用していくのではないだろうか。

[특종] 피해 심하지 않다더니 갈가리 해체...주민들 수억 달러 버린 김정은에 분노
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2025/6/7(土)「休戦ライン付近での北朝鮮軍兵士による重機乱射事件が急増」

先日、人民軍内部で事件事故が多発しているというニュースをお伝えしたが、その実態と背景についてお伝えする。北朝鮮では機関銃を乱射したり兵舎に手りゅう弾を投げつけたりする事件が多発している。そのため、現在は訓練以外での実弾の供給や使用を禁じているという。しかし休戦ライン付近では上官や同僚らを殺して南に逃げようとして失敗するという事例が、韓国軍の傍聴によって多数捉えられている。北朝鮮の兵士たちは、既に市場情報を通じて韓国の現実を知っており、合理的な思考と判断が可能な精神状態となっている。そのため、いくら人民軍総政治局が宣伝活動で洗脳しようとしても、簡単には洗脳されない。一方で、韓国に対する好意や憧れをのぞかせた兵士たちが、ある日突然、保衛部に捕らえられ、連れ去られてしまう。その後、収容所に送られなかったとしても、故郷の家族や友人・知人から反動の烙印を押され、一生を炭鉱で過ごすことになるのだ。そう考えるうちに、破れかぶれになって周りも殺し自分も死ぬという極端な行動に走ってしまうのだ。このような現状から、中央軍事委員会拡大会議では6つの軍団の軍団長や政治委員、参謀長らが大々的に交代させられる事態となった。

[속보] 북한군 최전방 총기 난사 사건 폭증...급기야 6개 군단장 정치위원 전부 물갈이
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2025/6/8(日)「派兵された北朝鮮軍の死傷者が帰国…精鋭部隊も散々な結果に国内驚愕」

北朝鮮からロシアへの派兵規模は1万2千人と言われているが、我々の調査によれば3万~5万人と思われる。そのうち30%程度が死亡したと思われるが、問題は負傷して帰国した兵士、或いは身体的には負傷していなくても精神的にダメージを受けて帰国した兵士たちである。彼らの証言から、戦地の実態が浮かび上がり、北朝鮮軍とウクライナ軍、さらには韓国軍やイスラエル軍との比較が取りざたされている。ウクライナ軍の規模は、機械化部隊、歩兵部隊、ミサイル部隊、ドローン部隊、戦闘機、軍艦など総合的に見て、韓国軍の十分の一程度、兵力も半数程度に過ぎず、西側の支援を受けているとはいえ、軍事的には弱小国である。これに対してロシアは世界第2位の軍事大国である。そのロシアが北朝鮮軍の支援を受けて戦っているわけだが、北朝鮮軍の中でも偵察総局という精鋭部隊が投入された。初期には訳も分からず投入されて、ドローン攻撃やストームシェイドのような最新鋭の攻撃の前に大量の死傷者を出し、後にクルースク戦闘では北朝鮮軍の健闘により領地を奪還するという成果を上げたものの、いまだに大国ロシアが弱小国ウクライナを圧倒できずにいる。では最近、北朝鮮に情報部隊を送り込んでいるイスラエルの軍隊はどうか。イスラエルの兵力は18万人(韓国は65万人)、国防費200億ドル(韓国は450億ドル)、空軍の主力機がF16(韓国はF35)、さらに韓国にはある戦闘艦艇やミサイルを持たないことからして、韓国よりはるかに小規模だといえる。もちろんイスラエル軍は戦闘経験が豊富であり、様々な特性を生かし戦闘能力は高いとはいえ、中東でイラン、イラクのような軍事大国を圧倒する成果を上げている。一方で、北朝鮮の友邦ハマスはいまや壊滅直前である。もともと北朝鮮からロシアへの派兵目的の一つは、精鋭部隊に現代戦を経験させ、帰国して北朝鮮軍をアップグレードさせることだったが、逆に自国軍の弱点、脆弱性が浮き彫りとなり、現代戦で韓国と渡り合うことなど考えられない、ましてや米国の参戦を考えると恐怖そのものという状況に陥っている。

[속보] 파병 북한군 사망자 부상자 귀환...최정예 특수부대 70% 전멸 패잔 소식에 북한 전역 발칵 뒤집혔다
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「ピョンヤン24時」ダイジェストについて

姜哲煥氏のYouTubeチャンネルにおいて、日々韓国語で語られている最新のトピックスを日本語に要約して紹介する。

평양 24시
평양24시는 김정은 정권의 중심인 평양을 중심으로 북한의 핵심정보들을 취재해 제공하는 TV입니다. 강철환 전 조선일보 기자와 전 언론기관 출신 편집자, 북한학 박사, 북한의 최고위층 엘리트, 핵심 전문가들과 함께 북한을 포함한 동북아시아 문제에 대해 심도있는 분석과 보도를 할 예정입니다...

姜哲煥氏は、京都に暮らしていた祖父母と父が帰国事業で1963年に北朝鮮に渡り、1968年に平壌で生まれた。9歳の時から10年間、家族とともに悪名高い「耀徳(ヨドク)強制収容所」に収容されたが、奇跡的に釈放され、脱北後1992年に韓国に亡命。10年間の朝鮮日報記者を経て、現在はNGO団体「北朝鮮戦略センター」の代表。韓国、北朝鮮はじめ国内外に様々なレベルの情報源を持ち、信頼度の高い情報をいち早く発信している。「守る会」結成間もない時期に日本に招待し、各地で講演を行っていただくなど、「守る会」との縁が深い。

邦訳著書
『平壌の水槽 北朝鮮地獄の強制収容所』(淵弘訳、ポプラ社)
『北朝鮮脱出』(安赫との共著)上・下(池田菊敏訳、文藝春秋 のち文春文庫)
『さらば、収容所国家北朝鮮』(ザ・マサダ)

姜哲煥氏関連書籍(Amazon)

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