2025/7/7(月)「中国瀋陽で韓国人の怪しい動き…労働党・対南工作部署が総出で接触?」
韓国では大統領と長官クラスへの引き続く弾劾により政府機関の機能がマヒ状態に置かれ、国家安保が危機にある。その隙に乗じて韓国社会の各分野でスパイの暗躍が活発化している。最近、中国が韓国人に無ビザ入国を許可したが、なぜか大量の韓国人が瀋陽に集まっている。瀋陽は対韓国スパイ工作の一大拠点であり、北朝鮮側の人間と接触する韓国人スパイが多いものと見られる。保衛部、統一戦線部、文化交流部など北朝鮮の対南工作部署が競争的に拠点を運営しており、北から要員が大量に派遣されているという。尹錫悦政権に入ってから、国家情報院が東南アジアで活動していたスパイや国内のスパイ組織を摘発するなどの攻勢をかけたことにより、対南工作活動がしばらく中断されていたが、現在の韓国内の混乱により国家情報院が弱体化している隙に乗じて対南活動が活発化させているのだ。彼らの目的は尹錫悦政権を倒して民主党政権を打ち立てるだけでなく、そのあと北の思い通りの体制に持っていくことにある。彼らを追及し、証拠を集め、処断することが何よりも重要である。早くこの混乱を収拾させ、安保体制を立て直さなければならない。(2025/1/30付動画の再放送)

2025/7/8(火)「金正恩、モサドに買収された内部のスパイに警戒せよと厳命」
イスラエルがイランに大打撃を加えて以来、北朝鮮内部の雰囲気にずいぶん変化が起きている。まず、労働党組織指導部非常拡大会議が金正恩主導で秘密裏に開かれたが、平壌の幹部はみな沈痛な面持ちで黙り込んでいるという。人口を1億も擁し、軍事力も充実した中東の中枢国イラクが無残に崩れ落ちたことが信じられないのだ。そして軍部もメンタル崩壊である。イラクが崩壊した時、イスラエル・モサドに買収された軍幹部がサダム・フセインを売り渡したとして、これを戒める映像で兵士に教育を施していた。今回は金正恩自身が北朝鮮内部に既にモサドに買収された者がたくさんいるから警戒しろと言っている。しかしそうなったのも、金正恩自身が将軍たちを次々に処刑するからで、殺された将軍の仲間が恨みを抱いて寝返らない保証はない。これ以上殺すわけにもいかないため、二重三重に網をかけ監視をして締め付けている状況だ。さらに護衛司令部の平壌軍団と休戦ライン軍団とで金正恩護衛の力比べをしたというが、ドローンやミサイルで一撃し、偵察衛星で金正恩の動向を監視する時代に、部内の力比べに何の意味があるというのか。金正恩の地下バンカーは地下100mと言われるが、もはやその程度で安全とは言えまい。最後に一般民衆はどうか。平壌市民の間では、表には出さないものの、イラン政権が崩れ落ちる様子を見て北朝鮮でも同じことが起こることを期待し、喜びの声が上がっているという。

2025/7/9(水)「中国が密輸船とブローカーを根こそぎ押収逮捕…平壌の息の根を止めるか」
中国の煙台、大連、山東の沖で北朝鮮の船5隻が中国公安に差し押さえられ、中国側のブローカー30人も逮捕された。コロナ禍以降、中国政府が北朝鮮との密輸を厳に取り締まってきたが、密輸業者も大金が儲かり、取り締る側も賄賂で大いに潤うため、なかなか根絶に至らなかった。北朝鮮がロシアから金正恩と周囲の幹部の生活用品、必需品等を輸入するには、ロシアがヨーロッパや中国から輸入しなければならないため、結局中国からの輸入が頼みの綱だ。ところが、ロシアの戦勝記念日の時、プーチンが習近平と金正恩を和解させようと2人を招待し、金正恩も行くと返事していたのに、実際には行かなかったことから、中朝関係はますます悪化した。今回押収された5隻の船の積載物は金額にして3億ドル相当だったが、押収してすぐ競売処理し、全額を中国の国庫に入れてしまった。今回は物品だけでなく中国側の助力者まで根こそぎ逮捕されたため、いよいよ金正恩らも窒息死寸前に追い込まれていると言える。

2025/7/10(木)「金正恩の実姉が日本に住んでいた…金正男の来日はそのためか?」
金正恩(キム・ジョンウン)の実姉が極秘裏に日本に居住していたことが分かった。金正日(キム・ジョンイル)が金日成総合大学の学生だった1964年頃、朝鮮総連から来た交換学生の中にいた女学生と恋仲になり、日本に戻って女の子を出産したのだ。金日成(キム・イルソン)にも内緒で、朝鮮総連の管理・支援下で、他の誰とも接触させずにひっそりと暮らしてきたという。2000年代に金正男(キム・ジョンナム)が偽造旅券で日本に遊びに来ていたことが発覚したが、彼が日本に出入りしていた理由の一つは、父・金正日から彼女らの面倒を見るよう言われていたのではないか。金正恩の母・高容姫(コ・ヨンヒ)も大阪生まれの元在日朝鮮人だが、金正男の日本行きを告発したのは彼女である。そのため金正男は世界的に大恥をかいたわけだが、金正日はこのことを強く叱責していない。その代わり金正男は後継者候補から遠ざかり、最終的に高容姫の息子である金正恩が後継者となったのだった。

2025/7/11(金)「イラン攻撃にロシアも北朝鮮も知らん顔…北朝鮮が攻撃されたら?」
現在、朝鮮労働党全員会議が行われている。議題は清津()造船所での駆逐艦進水式事故と関連して発生した犯罪や不正について総括するというもので、本来ならその結論を金正恩の肉声で公開するのだが、今回は初めてこの肉声公開が行われなかった。ここで問題となったのは、イスラエルによるイラン攻撃の際、北朝鮮自身はもちろん、ロシアも中国も関与せず放置したという点だ。北朝鮮はロシアと軍事条約を結んでいるが、万一、北朝鮮が攻撃されたときにロシアがアクションを起こさなければイランの二の舞となるということだ。イランも実はロシア-ウクライナ戦に際し、米国とイスラエルからの圧力にも関わらず、ロシアにドローン200台を無償で、加えて数百台を廉価で供給している。なのに窮地に立たされたイランに対し、ロシアは何もしなかった。さらにイランは、核開発で協力関係にある北朝鮮に対し、ドローン技術や原油を供給するなど、友好関係を深めていたにも関わらず、北朝鮮はイスラエルへの非難をしただけで事実上何の協力もしなかった。イスラエルには米国とヨーロッパ諸国が一致団結して支援を惜しまなかったのに、イランに対しては、中立の立場をとった中国を含む反西側国がすべて傍観していたのだ。ロシアにとって北朝鮮はイランほど重要な国とは思えないだけに、状況は悲観的だ。金正恩が会議の内容を秘密にしているのは、このような事情があるためだと思われる。

2025/7/12(土)「防空壕を兼ねる地下鉄もバンカーバスターからは平壌市民を守れない!」
1970年代に開通した平壌の地下鉄は地下100mの深さに敷かれており、防空壕を兼ねることで知られている。線路の左右には坑道が何本も掘られ、軍事物資や避難用物資などが貯蔵されており、いざという時、平壌市民が退避できるようになっている。しかし、バンカーバスターは1発で地下80mまで破壊するといい、先日イランを襲った際には3発を精密爆撃することで150mの地下まで破壊し尽くしたという。つまり、既に平壌も無防備に近い状態にあるということだ。一方、2018年から金正恩の執務室の近くにバンカーバスターに耐えうる鉄壁の執務室を地下100mから150mの所に建設し始めたことが分かっている。しかし今回のイラン攻撃を見れば、この地下施設も決して安泰ではないだろう。金正恩はかねてから、有事の際にも自分は平壌を離れないと言っていた。祖父の金日成が朝鮮戦争の際に平壌を捨て、慈江道(チャガンド)萬浦(マンポ)から中国に逃げたことを皮肉ったのだろうが、実際には既に金正恩の有事の際の退路は準備されている。第一次退路は龍城(リョンソン)三石(サムソク)区域にある人民軍第一指揮部、第2次退路は萬浦である。仮に平壌が攻撃された場合、金正恩は逃げおおせるだろうが、平壌市民は全滅するのではないか。そうなる前に平壌市民が立ち上がって金正恩を倒すべきではないだろうか。

2025/7/13(日)「カルマ地区竣工式で金正恩一家がずぶ濡れ!」
北朝鮮の1号行事は1mmのミスも許されないものだが、金正恩肝いりのリゾート・カルマ地区の竣工式でまさかの事故が発生した。ウォータースライダーの着水地点近くで観覧していた金正恩・金ジュエ・玄松月(ヒョン・ソンウォル)の3人に、着水時のしぶきが降りかかる様子が映像に捉えられたのだ。映像が途切れる部分があるが、その際、金正恩は大激怒していたという。明らかに行事を準備した幹部の計算ミスで、彼らがその後どうなったかはまだ分からないが、ただで済まないだろうことは間違いない。

「ピョンヤン24時」ダイジェストについて
姜哲煥氏のYouTubeチャンネルにおいて、日々韓国語で語られている最新のトピックスを日本語に要約して紹介する。
姜哲煥氏は、京都に暮らしていた祖父母と父が帰国事業で1963年に北朝鮮に渡り、1968年に平壌で生まれた。9歳の時から10年間、家族とともに悪名高い「耀徳(ヨドク)強制収容所」に収容されたが、奇跡的に釈放され、脱北後1992年に韓国に亡命。10年間の朝鮮日報記者を経て、現在はNGO団体「北朝鮮戦略センター」の代表。韓国、北朝鮮はじめ国内外に様々なレベルの情報源を持ち、信頼度の高い情報をいち早く発信している。「守る会」結成間もない時期に日本に招待し、各地で講演を行っていただくなど、「守る会」との縁が深い。
邦訳著書
『平壌の水槽 北朝鮮地獄の強制収容所』(淵弘訳、ポプラ社)
『北朝鮮脱出』(安赫との共著)上・下(池田菊敏訳、文藝春秋 のち文春文庫)
『さらば、収容所国家北朝鮮』(ザ・マサダ)