「ピョンヤン24時」ダイジェスト 2025/09/08-09/14

ピョンヤン24時

2025/9/8(月)「歴代政権も触れなかった北朝鮮の傷を李在明が逆なで!」

先日、韓国大統領の李在明(イ・ジェミョン)が訪米した際、北朝鮮を評して「貧しいが猛々しい隣人」と言ったが、これは北朝鮮にとって最上級の侮辱的な表現だ。脱北者が韓国に来てしばしば経験する不愉快なことは、焼き肉をご馳走になっている場で、韓国人から「北ではこんな肉を食べたことないだろう」というようなことを言われることである。肉を残した時に「脱北者が肉を残していいのか」などと言われると、相手を殴りたくなるぐらいだ。貧しい者が「貧しい」と言われるくらいプライドの傷つくことはない。朴槿恵、李明博、金泳三、盧泰愚、全斗煥など歴代保守政権を見ても、「人民を飢えさせる独裁者」「人権蹂躙」などの表現はあったが、ストレートに「貧しい」と表現したことはない。しかも「貧しいが猛々しい」とは、「貧しいくせに、何か施してやっても感謝するどころか猛々しく反抗する」と、馬鹿にされたうえ踏みにじるようなニュアンスだ。金与正(キム・ヨジョン)が「くだらない夢」「ばかばかしい妄想」「偽善者」などと反撃に出たのは当然のことだ。さらに韓米会談で、トランプが「韓国で開催されるAPECに参加したい」と言ったところ、李在明は「それでは私が仲介するので金正恩に会ってほしい」と応えた。文在寅政権の時に板門店でトランプと金正恩が会ったことがあるたが、李は自分もあのようなパフォーマンスをしたいのだろう。しかし、あの時、文が米国の警備員に制止されてトランプと金正恩の対話に入れなかったことを忘れたのだろうか。

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2025/9/9(火)「数千人の兵卒が戦死して101人の指揮官が英雄に?」

戦争で実際に戦うのは兵卒だ。1小隊は30人、1中隊は3人の小隊長を含め約100人だから、仮に100人が戦死したとすれば、大部分が兵卒のはずだ。ところが先日、金正恩が英雄と称えた101人のうち70%は指揮官だったことが分かった。英雄称号を受けるほど壮烈に戦った者の大部分がスタークラスの指揮官だったということに、軍隊を少しでも経験した者なら納得がいかないはずだ。我々が持つ北朝鮮内、ロシア内の情報通の話を総合すると、ロシア派兵にあたり金正恩が最も恐れたのは、北朝鮮将兵が逃げ出したり捕虜になったりすることだったという。派兵が最も盛んに行われた時期は尹錫悦政権だったため、韓国行きを希望すればいくらでも行くことができた時期だ。そのため兵士が100人戦死することより、1人でも脱出することを極度に警戒したという。さらに、人民軍保衛部や人民軍政治部が将兵の脱出を阻止するために動員され、派兵部隊の中に多数配置されていたことが分かっている。彼らが、逃げようとしたり捕虜になりそうになった将兵たちを、自爆するよう誘導したり、背後から撃ったりしていたのだ。

[특종] 전사자 수천명, 101명만 영웅...머지는 뭐냐 민심 폭발
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2025/9/10(水)「金正恩の訪中で北朝鮮全域だけでなく中国にも大迷惑」

金正恩の訪中に伴い、北朝鮮全域に10日間の通行禁止令が下された。通常、金正恩の動向は、警護部隊以外、直前まで誰にも知らされない。従って、金正恩を狙う国内外の反体制勢力は事前に作戦の立てようもないが、今回の訪中に関しては中国側が事前に公表してしまったため、それに合わせて移動も公表されたことになる。2004年に発生した龍川(リョンチョン)駅爆発事故以降、金正日、金正恩の専用列車は全く同じ車両が3台あり、3台を入れ替えながら移動するため、首領がどの車両に乗っているかが分からないようになっている。それでも不安な北朝鮮政府は、期間中すべての人民の移動を禁止し、人民軍の訓練までも一切中止するとした。一方、中国の丹東では市内のホテルに外国人の宿泊が一切禁じられ、丹東から北京までの列車往来もすべて運休とされた。習近平が移動する際にもこのような宿泊禁止、通行禁止措置はないのに、「北のブタ野郎のせいで」大迷惑だと、ただでさえ金正恩を嫌っている中国人たちが不満を爆発させている。

[속보] 유례없는 '철벽통금' 적대세력 준동에 김정은 경호 초비상
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2025/9/11(木)「慈江道の地下ミサイル基地は豪雨で全滅」

金正恩が訪中の前日に平安北道・慈江道にある武器庫・ミサイル工場視察に赴き、緊急点検を行ったと労働新聞が伝えた。訪中直前の多忙な時期になぜ兵器点検に赴いたのか。昨年以来のロシア支援で北朝鮮内の砲弾は底をつき、自衛用に最低限保管してあった砲弾も先日の水害で流出してしまった。地下のミサイル工場もすべて水に浸かり、ミサイル倉庫も壊れたり流されてしまい、有事の際の防御に支障をきたすというのだ。北朝鮮は現在、軍事的空白状態にあると言ってよい。もし尹錫悦政権が倒されずに健在であったなら、この状況を絶好の機会として利用したかもしれない。北朝鮮にとって李在明政権であることが不幸中の幸いだったと言えるのではないか。

[속보] 자강도 미사일 갱도 초토화
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2025/9/12(金)「習近平が金正恩に同行した金ジュエに苦虫…外国メディアは大騒ぎ」

金正恩が政権14年目にして、初めての国際他者会談に臨んだ。しかし世の耳目は金ジュエの登場に注がれている。今回、夫人の李雪主(リ・ソルチュ)は同行せず、娘の金ジュエを連れていったわけだが、これは外交慣例上、非礼に当るものだ。世界のマスコミは、訪中に同行したことで金ジュエが後継者に違いないと騒ぎ立てているが、北朝鮮の深層を知る専門家ほど、金ジュエは後継者ではないと言っている。むしろ李雪主が同行しなかったことで、彼女の産んだ男の子が後継者ではないことを暗示しているのではないか、という推測もあるくらいだ。また、朝中関係が好転していると評する向きもあるが、習近平と金正恩の対立は1度の訪中で解消されるようなものではない。習近平には、金正恩がへたにトランプに接近しないよう手名付けようという意図があったのではないか。ちなみに、韓国を代表して国会議長の禹元植(ウ・ウォンシク)が夫婦で式典に参加したが、天安門の観覧席の端に座らされ、韓国の国際的地位にそぐわない待遇を受けた。

[특종] 시진핑 김주애 등장에 난색...외신도 폭발
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2025/9/13(土)「中国が金ジュエを排除…金正恩は終始硬い表情」

周知のとおり、金正恩は金ジュエを従えて中国の抗日戦勝記念式のため訪中したが、映像を見ると公式行事中の金正恩が始終不機嫌そうに見える。その原因について深層取材したところ、金ジュエに原因があったらしいことが分かった。本来、夫人の李雪主を同行すべきところ娘を同行した形だが、これは主催国・中国に対する非礼である。12歳の子供は学校に行くべきであって、このような国際会議に顔を出すべきではないというのが世界の常識だろう。天安門の望楼に各国代表が居並ぶ写真に、金与正と玄松月(ヒョン・ソンウォル)はいるが、金ジュエの姿は見えない。レセプションの場にも金ジュエはいなかった。金正恩としては娘の金ジュエの存在をアピールしたかったのだろうが、中国政府がこれを拒絶し、中国マスコミも金ジュエの姿を捉えなかった。これに金正恩が腹を立てていたものと思われる。

[특종] 중국 김주애 좌석 빼버렸다...주석단 면전서 노골적 무시 당해 굳어버린 김정은
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2025/9/14(日)「金与正も金正恩も国外での排泄物を持ち帰る…何がそんなに怖いのか?」

2018年の平昌(ピョンチャン)オリンピックの際に訪韓した金与正は、ウォーカーヒルホテルに宿泊したが、お付きの者が彼女の排泄物をすべて持ち帰ったことで世間を驚かせた。今回の訪中でも金正恩の排泄物はすべて持ち帰られた。のみならず金正恩が座って会談をした座席の汗まで拭き取ってDNA情報の流出を防いだという。父親世代のプーチンでさえそんなことはしないのに、曲がりなりにも同盟国の中国でまで、そんなことをしなければいけないほど金正恩の健康状態は悪いということだろう。中国当局は、金正恩が2023年に中国・瀋陽で緊急手術を受けた際に金正恩の身体情報を得ている。しかし、金正恩の生死がその後の政局を左右するだけに、中国としても最新の情報を把握したがっているのは確かだ。金正恩側がこれを防御しようとする立場も理解できなくはない。

[특종] 한국선 배설물까지 담아가더니 김정은 경호원 괴이한 행동에 발칵 뒤집혔다
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「ピョンヤン24時」ダイジェストについて

姜哲煥氏のYouTubeチャンネルにおいて、日々韓国語で語られている最新のトピックスを日本語に要約して紹介する。

평양 24시
평양24시는 김정은 정권의 중심인 평양을 중심으로 북한의 핵심정보들을 취재해 제공하는 TV입니다. 강철환 전 조선일보 기자와 전 언론기관 출신 편집자, 북한학 박사, 북한의 최고위층 엘리트, 핵심 전문가들과 함께 북한을 포함한 동북아시아 문제에 대해 심도있는 분석과 보도를 할 예정입니다...

姜哲煥氏は、京都に暮らしていた祖父母と父が帰国事業で1963年に北朝鮮に渡り、1968年に平壌で生まれた。9歳の時から10年間、家族とともに悪名高い「耀徳(ヨドク)強制収容所」に収容されたが、奇跡的に釈放され、脱北後1992年に韓国に亡命。10年間の朝鮮日報記者を経て、現在はNGO団体「北朝鮮戦略センター」の代表。韓国、北朝鮮はじめ国内外に様々なレベルの情報源を持ち、信頼度の高い情報をいち早く発信している。「守る会」結成間もない時期に日本に招待し、各地で講演を行っていただくなど、「守る会」との縁が深い。

邦訳著書
『平壌の水槽 北朝鮮地獄の強制収容所』(淵弘訳、ポプラ社)
『北朝鮮脱出』(安赫との共著)上・下(池田菊敏訳、文藝春秋 のち文春文庫)
『さらば、収容所国家北朝鮮』(ザ・マサダ)

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