「ピョンヤン24時」ダイジェスト 2025/09/15-09/21

ピョンヤン24時

2025/9/15(月)「平壌の上層部に通じる消息筋が後継者予想に変化ありと伝える」

金ジュエが金日成(キム・イルソン)大学の物理学専攻の特設クラスに入学したという。金正日(キム・ジョンイル)が子供の頃は、南山(ナムサン)中学校という特別学校で、幹部クラスの子供たちと机を並べて、金氏一族の子供たちが一緒に学んだが、金正恩の子供たちは北朝鮮で他の子供たちと一緒に学校に通ったことがない。金正恩、金与正(キム・ヨジョン)、金正哲(キム・ジョンチョル)らはスイスに留学し、その後、金正恩は金日成大学に進学したというが、まともに学修したかどうかは不明だ。金ジュエは2013年2月19日生まれとされているので、現在、満12歳である。その子が大学に入学したということは、天才的な非凡な能力を持っているということを強調したいのだろう。重要なのは、これにより金正恩の子供たちの中で最初に大学に入学したのは金ジュエだということだ。これまで本放送でも、平壌の上層部でも、後継者はあくまでも男子であり、金ジュエは、現在の金与正のように、後継者となる兄弟をサポートする役となるだろうと予想していたのだが、最近は金ジュエこそが後継者なのではないかという主張が力を得始めている。ここ最近、北朝鮮の重要な行事に出かける金正恩のそばには、妻の李雪主よりも目立つ位置に、常に金ジュエが同行していることも、この主張を裏付けるものだ。(2025/8/18付動画の再放送)

[특종] 평양 고위 소식통 충격 소식 알려와...후계 구도 변화 대반전 일어났다
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2025/9/16(火)「朝中関係に功績ある崔龍海を金正恩がはずした?!」

金正恩は中国の抗日戦勝記念式に出席し、朝中ロ三国首脳が揃う威容を見せつけたが、この時北朝鮮から出席した代表団の中に、抗日戦争と関わった人間は一人もいなかった。金正恩は母親が在日朝鮮人なので親日派であり、式典の趣旨に鑑みれば、せめて金日成と共に戦った崔賢(チェ・ヒョン)の息子の崔龍海(チェ・リョンヘ)が同行するべきだった。しかも、これまで朝中間で問題が生じるたびに、崔龍海が中国に駆けつけ、金正恩の立場を説明する役を担ってきた。張成澤(チャン・ソンテク)処刑の直後、中国に飛んで行った崔龍海は、当初、偵察総局の軍服を着ていたが習近平に強く叱責され、その後民間人の服装に着替えて再訪するという汚れ役も辞さなかった。そういう意味で中国との関係を考えれば今回の訪中に崔龍海を同行しなかったのは非常にまずかった。先日もお伝えしたように平壌の中国大使館で行われた行事に崔龍海が出席し、行事を伝える中国のホームページに崔龍海の笑顔が大きく掲載された翌日の行事に、崔龍海の姿がなく、さらに訪中にも同行せず、現在まで彼の消息が不明だということは、彼の身に異変が起きた可能性を示唆するものだ。

[특종] 화난 김정은 서열 2인자 최룡해 빼버렸다
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2025/9/17(水)「清津造船所で横倒しになった姜健号が3週間で修理完成?!」

金正恩は海軍の現代化のために崔賢号、姜建(カン・ゴン)号など数隻の新しい駆逐艦をロシアから導入した。このうち姜建号が清津(チョンジン)造船所での進水式に失敗して大事故となったのが今年5月のことだった。過去の類似事故に鑑みても姜建号を修理することは現実的ではないのだが、姜建号はその後、羅津(ラジン)港に移され、ロシアから技術陣を招いて修理を行い、なんと3週間で修理を終えたと発表された。ところが、人工衛星画像を利用し北朝鮮の軍事施設を観察・分析している米国の「38ノース」は、姜建号が羅津港から清津港までタグボートに曳かれていく様子を捉えた。修理を終えたという船が自走しないとはどういうことか。さらに姜建号に先立って進水式を行った崔賢号もタグボートに曳かれる姿が捉えられており、この船にも問題があることが分かっている。しかし、このことを知っているのは一部の関係者だけで、自国の兵士をロシアの弾除けにして得られた資金で導入した駆逐艦が2隻とも使い物にならなくなったことを、国内では明かすことができまい。

[특종] 北 진수 구축함 2척 운항 중단 사태 발생
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2025/9/18(木)「北朝鮮とロシア、蜜月は終わったか?…警護員同士もにらみ合い」

朝ロ関係は良好なのだろうか。中国で対面した国首脳の間には不穏な空気が流れていたようだ。まず会談のための会議室で、室温調整のことで、朝ロ間でいざこざがあった。当初、中国側は冷房の設定温度を20度としていた。しかし北朝鮮の警護要員は、金正恩にとっての適温は23度だと主張して、設定温度を変えようとした。人が大勢集まる部屋の温度は高くなりがちなので、設定温度を20度にすることで室温は23度程度に保たれることを、北朝鮮の要員は理解せず、ロシア側に制止されるとケンカ腰で主張を押し通そうとした。最終的にはロシア側が制圧して20度設定に落ち着いたのだが、北朝鮮人の頭の悪さが露呈した格好だ。さらに、プーチンとの対話途中に金正恩が声を荒げる場面があったという。金正恩は最近、ロ-ウ戦争で戦死した自国兵士を悼むパフォーマンスを盛んに行っているが、これはプーチンに対する当てつけであり、もっと金をよこせと請求しているのだ。3年間の戦争で国家財政が底をついているプーチンの目に、金正恩のこの振る舞いは忌々しいものと映っているに違いない。朝ロ関係は表面的には良好に見えるが、水面下ではギクシャクせざるを得ない状況にある。

[특종] 김정은 경호원들 러시아 측에 행패...로 사과 요구
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2025/9/19(金)「ロシアに派兵された北朝鮮軍の死傷者が数百人?!あり得ない!」

金正恩とプーチンは訪中の際に二者単独会談を行い、プーチンが金正恩に「北朝鮮人民軍のことを決して忘れない」と述べると、金正恩は「兄弟の義務を尽くしたものだ」と応え、プーチンが北朝鮮の派兵に非常に感謝している様子が伝えられた。ロシア派兵での戦死者を北朝鮮は101人だとし、韓国の国家情報院は600人としているが、我々が把握したところでは1万2千人であり、負傷者は数万人に上る。北朝鮮が死傷者数を最低限に抑えて発表したがるのは当然かもしれないが、北朝鮮の発表した101人または国家情報院の言う600人の戦死者に対するプーチンの感謝の態度としては、かなりオーバーだという印象だ。これまでに戦死したロシア兵の総数は26万人とされ、2024年の1年だけで9万3千人が戦死している。ウクライナ軍の戦死者数は約10万人と言われるが、ロシア軍の戦死者の方が圧倒的に多いのは、社会主義国では人命を重視しないため人海戦術を使うことが多く、退却時には自国兵を射殺することを厭わないからだと思われる。さて、北朝鮮兵士の死傷者が多く出たのがクルースク戦闘だが、2024年8月6日に約3万人のウクライナ軍先鋭部隊が奇襲的にこの地域に入り、ロシア軍は後退を余儀なくされた。モスクワのすぐ南に位置する重要拠点のクルースク奪還に迫られたロシア軍が、北朝鮮軍を投入して辛うじてこの地域を奪い返したのだ。その際、クルースク地域には英国の最強兵器ストームシャドーや米国の最先端ミサイルなどの集中攻撃が行われ、北朝鮮軍から大量の死傷者を出したはずだ。さらにウクライナ軍はあらゆる火力を動員して攻撃したが、人海戦術でなだれ込む北朝鮮軍を撃退しきれずにクルースクを奪い返されたとしている。これらの状況からして、北朝鮮兵の死者が600人というのは明らかに現実的ではなく、1万人以上亡くなったのは間違いない。

[특종] 파병 북한군 사망자 1만 2천명 첫 확인!
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2025/9/20(土)「泣く子も黙る北朝鮮暴風軍団25人がウクライナ軍8人の襲撃で全滅!」

北朝鮮の偵察総局暴風軍団と言えば、1人で百人を倒すことができる特殊部隊、無敵の軍隊として名を馳せているが、最近、暴風軍団の情けない実態が暴露された。金正恩が涙しながら戦死した派兵を英雄と称えていたその頃、ウクライナで自ら投降した2人の兵士がいたのだ。そのうちの1人は第7歩兵旅団の夜間偵察業務を担う部隊所属だという。その数日後、8人のウクライナの特殊部隊に塹壕を襲撃されて25人の北朝鮮特殊部隊が全滅するという事件が起きた。これらの不祥事に北朝鮮総参謀部は慌てふためいている。暴風軍団は鋼のような肉体を誇り格闘技に優れているかもしれないが、実戦では状況を立体的に判断し、的確に動いてはじめて特殊部隊としての価値がある。

[속보] 우크라군 8명 북한군 참호 습격해 25명 전멸시키고 전원 복귀
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2025/9/21(日)「今年も北朝鮮で集中豪雨の被害甚大…しかし報道が一切ない!」

北朝鮮では今年7月末に豪雨による大規模な災害が発生したが、この事実が一切伏せられている。去年の夏に朝中国境で洪水被害が起きた際には、中国を通じて被害の実態が伝えられてしまったためか、北朝鮮国内外で報道され、金正恩がボートに乗って被災地を見て回る映像も記憶に新しい。しかし、今年、平安北道(ピョンアンプクト)、慈江道(ジャガンド)などの内陸部で、河川の氾濫や土砂崩れなどで村全体が壊滅した地域が数十か所もあり、人的被害も数千人に上ると思われるのに、何の報道も対策もされていないという。この地域には寧邊(ヨンビョン)の核開発基地をはじめ軍需工場や軍隊の基地が数多いため、これらの被害も相当な規模に上るはずだが、北朝鮮政府はひたすら隠し通そうとしている。人工衛星で集中豪雨の起きた場所を特定し、豪雨の前と後の衛星写真を比較すると、川沿いの村が崩れた山の土砂に覆われて見る影もないことが分かる。近年は気候変動により、限られた地域に短時間に大量の雨が降り注ぐため被害も甚大だが、北朝鮮では山の木を伐ってしまっているため、洪水・山崩れなどの被害は想像を絶する。北朝鮮国内では資金にも資材にも窮していて、去年の鴨緑江沿いの水害復旧も満足に行われていないことから、この内陸地域の復旧はもとより、人命救助すら行われていないと見られる。(2025/8/27付動画の再放送)

[속보] 미사일 핵기지 지키다 참변...대규모 병력 주민 실종에 대 혼란
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「ピョンヤン24時」ダイジェストについて

姜哲煥氏のYouTubeチャンネルにおいて、日々韓国語で語られている最新のトピックスを日本語に要約して紹介する。

평양 24시
평양24시는 김정은 정권의 중심인 평양을 중심으로 북한의 핵심정보들을 취재해 제공하는 TV입니다. 강철환 전 조선일보 기자와 전 언론기관 출신 편집자, 북한학 박사, 북한의 최고위층 엘리트, 핵심 전문가들과 함께 북한을 포함한 동북아시아 문제에 대해 심도있는 분석과 보도를 할 예정입니다...

姜哲煥氏は、京都に暮らしていた祖父母と父が帰国事業で1963年に北朝鮮に渡り、1968年に平壌で生まれた。9歳の時から10年間、家族とともに悪名高い「耀徳(ヨドク)強制収容所」に収容されたが、奇跡的に釈放され、脱北後1992年に韓国に亡命。10年間の朝鮮日報記者を経て、現在はNGO団体「北朝鮮戦略センター」の代表。韓国、北朝鮮はじめ国内外に様々なレベルの情報源を持ち、信頼度の高い情報をいち早く発信している。「守る会」結成間もない時期に日本に招待し、各地で講演を行っていただくなど、「守る会」との縁が深い。

邦訳著書
『平壌の水槽 北朝鮮地獄の強制収容所』(淵弘訳、ポプラ社)
『北朝鮮脱出』(安赫との共著)上・下(池田菊敏訳、文藝春秋 のち文春文庫)
『さらば、収容所国家北朝鮮』(ザ・マサダ)

姜哲煥氏関連書籍(Amazon)

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