11月18日(月)「留学と偽り5千人の大学生を派兵?学生の親たちの怒り爆発寸前」
先月ドローンが平壌の上空に侵入してビラを撒いたのを、韓国の仕業だと騒ぎ立てて危機感をあおり、大学生を人民軍に志願させた。170万人の自筆志願書を集めたというが、ウクライナ戦派兵の噂が広がるにつれ、志願した学生たちが不安を募らせている。現役で使い物になりそうな兵士もさほど多くなく、追加派兵もままならない。そこで、今度は大学生を留学生と称してロシアへ送り込もうとしている。近年、北朝鮮から送り出される留学生の数は減少傾向にあり、年間200人ほどになっていたのに、今回突然5000人の留学生を募集した。しかし彼らを留学生と偽ってロシアに行かせた後、派兵に切り替えて戦場へ送り込もうという企みなのではないか。金正恩は青年一人一人を大切に思うどころか、3万ドル、5万ドルと見ており、少なくとも10万人を送り込んで懐を膨らませようとしている。
11月19日(火)「クルスクで北朝鮮兵士数十人が捕虜に…彼らの行方は?」
ウクライナ戦争の激化に伴い、北朝鮮兵の捕虜が増えている。ウクライナ政府は当初、北朝鮮人捕虜をロシアに送還する方針だったが、それは彼らを死地に追いやることに等しいことが明らかである以上、方針を変更する可能性が高い。最初に戦地に投入された北朝鮮兵士は訳もわからないまま弾除けにされてしまったが、次第に変化が進んでいる。まず、ロシア軍の都合で北朝鮮兵士にスマートフォンが配布され、兵士たちはいくら禁じられても韓国語サイトにくぎ付けになっている。本放送も視聴されているようだ。また、ロシア軍の中に北朝鮮兵士が混じって行動するわけだが、ロシア兵士は比較的簡単に降伏するので、北朝鮮兵士も彼らと一緒に降伏してしまうという。さらに今回、米国が長距離ミサイルを許容した直後、北朝鮮兵士が密集している地域を集中攻撃したことで、生き残った北朝鮮兵士は戦意を喪失し、捕虜となることを望んでいる。既に国家情報院と韓国軍情報司令部に脱北者を加えた心理戦部隊がウクライナ軍に合流し、本格的な捕虜誘導作戦に出ている。ウクライナで捕虜になった北朝鮮兵士が韓国にやってくる日も遠くない。
11月20日(水)「中朝国境で麻薬戦争激化!…真夜中に響き渡るドローンのモーター音」
北朝鮮の現金、金塊が枯渇しつつある。金に困った金正恩政権にとって稼ぎ頭は麻薬である。以前、中国で麻薬密売を禁止したところ、行き場を失った麻薬が北朝鮮国内に出回った。これはまずいと思った金正恩が「麻薬との戦争」を打ち上げたことがあった。中国は金正恩の1号物品や製造機器、大使館員の金塊を没収するなど、北朝鮮を追い詰めていた。この際、金になるならと、中国の顔色を無視し、なりふり構わず国内の麻薬をあらゆる手段を使って中国に売りつけだしたのだ。人民軍保衛部、人民軍総政治部、人民軍国防部など各種の権力ある部署から個人に至るまで総出で麻薬密売に関わっている。といっても国境が厳重に封鎖されている現在、どうやって麻薬を運ぶのか。そこにはドローンが活用されている。中国で麻薬を所持していることが発覚すれば死刑であるが、北朝鮮の麻薬は非常に安く利益が大きいため、中国の暴力団などの闇の組織が闇夜にドローンを飛ばしている。そして中国の公安が夜を徹してこれを撲滅するため躍起になっている。中国は北朝鮮に対し強力に抗議しているが、北朝鮮側は取り合わないという。
11月21日(木)「最新情報!ロシア派遣先から脱出した北朝鮮兵士が実態を暴露」
最近、ロシアへ建設労働をするために派遣された後、脱出して韓国に入国した北朝鮮兵士のインタビュー記事が公開された。インタビュー内容を整理すると、①出発前、行き先を知らされず準備のみを命じられた、②移動中も行き先を知らされなかった、③自発的に志願したのではなく強制的に選抜された、④出発前に「最高首脳部のために命を捧げる」という宣誓をさせられた、⑤軍人身分であるため報酬や補償等の話は一切なかった、⑥北朝鮮兵士は山岳地帯で訓練を受けていたのに、荒涼とした平野で戦えば暴風軍団であっても射撃の的になるほかない、⑦金正恩政権がなるべく派兵が生きて戻ってこないことを望んでいる、と証言している。本放送でも既に述べたように金正恩は多くの兵士が戦死することを望んでいるに違いない。派兵兵士が仮に生きて本国に戻ったとしても、既にスマートフォンで世界情勢に接して考え方が変わってしまっているうえ、戦場での惨状や政府への不満などを言いふらすかもしれない彼らは、北朝鮮政府にとって危険な存在となるからだ。
11月22日(金)「南からのビラ風船にコッチェビ群がる…金兄妹も手をこまねく」
北朝鮮のコッチェビ(浮浪児)たちは、家族もなく家もなくひたすら生存本能だけに頼って生きている、ある意味恐ろしい存在である。彼らは食べ物のある所に集まり、集団を成す。以前は中国との国境沿いの都市に集まっていたコッチェビたちが、中朝国境が封鎖されたため、食べ物や薬品をぶら下げて南から飛ばされる風船の噂を聞いて、黄海道の方に集まってきているという。彼らは風船が飛ぶのを見つけると、これを追いかけて回り、落ちるや否やこれに群がって欲しいものを手にすると、蜘蛛の子を散らすように素早く逃げる。南からの物は取締りの対象だが、取り締まる側もコッチェビたちを処罰するには限界がある。風船には韓流コンテンツの入ったSDカードも入れられており、コッチェビたちがこれを市場で高く売り飛ばすため、これらが拡散されるのにも一役買っている。
11月23日(土)「北朝鮮上級指揮官含む十数人の将校が死傷…北朝鮮大使館が大わらわ」
ウクライナ軍のミサイル射撃距離制限が解除された途端、北朝鮮軍指揮官の拠点が標的となった。その結果、上級将校を含む多くの指揮官らが死傷した。現代戦を経験した軍隊なら、携帯電話の電波の集中が敵軍に感知されないよう、指揮官は一カ所に集まることを避けるが、現代戦を経験したことがない北朝鮮軍は、この日に限って一カ所に集まっていたと見られる。そこへ英国の最先端の長距離ミサイル「ストームシャドウ」が命中し、公式発表では上級指揮官が負傷したとされたが、実際には数多くの将校が死傷したものと見られる。これらの情報は北朝鮮軍と北朝鮮大使館の間の通信を傍受することで把握された。下級兵士が死傷すれば追加派兵すれば済むが、指揮官が死傷した場合はこれを速やかに補充することは容易ではない。
11月24日(日)「北朝鮮兵がロシア軍の頭痛の種に」
ロシアに派兵された北朝鮮兵士たちの野蛮な実態が暴露され始めた。北朝鮮兵士は本国での軍生活中、食事をはじめとする生活必需品が十分に供給されないため、必要なものは民間から奪って賄うのが当たり前だった。もちろん処罰や拷問やひどい場合は処刑も可能な北朝鮮内ではそれなりに制御可能だったが、外国の戦地に駆り出され実弾をこめた銃を手にした兵士たちは抑えがきかなくなっている。先進国のようにマナーや道徳教育をまともに受けていない兵士たちは、戦地という極限状況の中で野性性を露わにする。兵役についてから女性との接触もなく、戦地でロシア軍からスマートフォンを配布され、生まれて初めて見るポルノ動画に夢中になった兵士らが、まさに野獣と化し、ボランティアのロシア人女性を集団強姦したのだ。泥棒、強盗、強姦を平気でしでかす北朝鮮兵士に頭を痛めたロシア軍側は、北朝鮮兵士を兵舎に閉じ込めて出撃時だけ外に出すという有様で、地元住民も北朝鮮兵士を警戒して戸締りをし、特に女性は身を隠しているという。まるで、第二次世界大戦直後に満州、朝鮮から引き揚げようとする日本人女性に襲い掛かったロシア兵を髣髴とさせる。今後、追加派兵が行われるというが、北朝鮮兵の存在がロシア軍の足をひっぱることになるのではないか。
「ピョンヤン24時」ダイジェストについて
姜哲煥氏のYouTubeチャンネルにおいて、日々韓国語で語られている最新のトピックスを日本語に要約して紹介する。
姜哲煥氏は、京都に暮らしていた祖父母と父が帰国事業で1963年に北朝鮮に渡り、1968年に平壌で生まれた。9歳の時から10年間、家族とともに悪名高い「耀徳(ヨドク)強制収容所」に収容されたが、奇跡的に釈放され、脱北後1992年に韓国に亡命。10年間の朝鮮日報記者を経て、現在はNGO団体「北朝鮮戦略センター」の代表。韓国、北朝鮮はじめ国内外に様々なレベルの情報源を持ち、信頼度の高い情報をいち早く発信している。「守る会」結成間もない時期に日本に招待し、各地で講演を行っていただくなど、「守る会」との縁が深い。
邦訳著書
『平壌の水槽 北朝鮮地獄の強制収容所』(淵弘訳、ポプラ社)
『北朝鮮脱出』(安赫との共著)上・下(池田菊敏訳、文藝春秋 のち文春文庫)
『さらば、収容所国家北朝鮮』(ザ・マサダ)