3月3日(月)「金正恩の体重また更新か…TV公開された金正恩の異常な姿」
2月23日に金日成政治大学に金正恩が訪問した動画が公開された。1か月前に江東(カンドン)郡を訪問した時の動画と比べても明らかに体重が増えており、歩き方もおぼつかない。
金正恩は、あの体型と持病の数々により、2年以内に死ぬと確信する。今回訪れた金日成政治大学は人民軍労働党組織で、総政治局幹部を養成する大学である。兵士を監視・統制するのが彼らの役割だが、金正恩がここを訪問したのは、兵士への監視・統制の必要性が高まっていることを意味するものと思われる。

3月4日(火)「北朝鮮の仮想通貨詐取犯罪に世界のハッカーが立ち向かう」
金正恩と金与正が、最近、アメリカの法廷で裁かれれば懲役合計200年の刑が下されかねない大罪を犯した。先月、仮想通貨市場が大暴落したが、その原因は北朝鮮の偵察総局所属のナザルスグループがバイビットという暗号資産から13億6千万ドルのイーサリアムを自分たちの口座に違法に移し替えたためだった。ブロックチェーン専門の仮想通貨アカムが、これは北朝鮮の仕業だと明らかにした。彼らの手法は極めて高度に進化しているという。以前は詐欺電話やマルウェアやランサムウェアを使い、要求に応じさせるという手口が横行していたが、最近はブロックチェーンをハッキングし、スマートコントラクト契約を偽造して口座振替を行うという。北朝鮮の最精鋭のハッカーが集団で行ったものと見られる。被害に遭ったバイビットはこの犯罪に関し、全世界のハッカーに情報提供や被害防止を呼びかけ、成果を上げたハッカーには被害額の10%に当たる1億3千万ドルを賞金として提供すると申し出た。今や北朝鮮のナザルスグループに全世界の正義のハッカーが挑戦し、追い詰め、壊滅させる時が来た。

3月5日(水)「1週間の間に北朝鮮ウォンの為替レートが再び大暴落」
先週、北朝鮮から入手した動画に基づいて、1ドルが8000₩から15000₩に暴騰したとお伝えしたが、1週間の間に1ドル23000₩へとさらに上がったという情報が届いた。その状況の中で北朝鮮住民はあらゆる希望を無くし、最後に家でも何でも、持てるものをすべて売却して、手元に残った金で最後に何か食べて死ぬことだけ願っているという。ロシア派兵によって得た資金は、国民生活のレベル向上のために使われるのではなく、平壌の防空網を導入するのに消えた。かつて、金日成は「白米に肉のスープを食べさせる」と約束したが果たせなかった。金正日は「強盛大国」を唱えて「白米に肉のスープ」より良いものを食べられるようにするとしたが、「苦難の行軍」に見舞われた。昨年、金正恩は20×10政策として10年間で全国に200の工場を造ると息巻いたが、1つも成果を上げていない。もはや幹部たちも金がないため必要なものが買えない状況だ。

3月6日(木)「ビジネス大統領トランプには立て続けに予想以上の失望」
米国トランプ大統領は、もともとビジネスマンであり、すべてをお金で判断する大統領なので期待していなかったが、このところ出されるトランプの政策には大きく失望した。まず、北朝鮮人権支援団体への補助金を全額カットしてしまった。韓国の人権団体に対しての支援金もカットされたため、韓国の北朝鮮人権団体が軒並み開店休業状態になってしまった。次に、国連のロシア糾弾決議案に反対した。ロシアと事実上同盟の中国もこの決議案に対して棄権した。一方で、ウクライナのジェレンスキー大統領を独裁者と呼んだ。彼は無軌道なロシアに抗って自由のために3年間持ち堪えているのだ。ウクライナが崩壊すればヨーロッパの自由が危機に瀕するというのに、トランプはそれを金額で計算しているのだ。自由と民主主義の砦であるはずの米国が、北朝鮮、中国、ロシアの側に立ち、すべてを金で判断していくのでであれば、我々も自力で自国を守る気概と力を持つ必要がある。

3月7日(金)「金与正の夫に権力集中…第二の張成澤誕生か?」
金与正の夫が党政権力の中心に浮上した。彼に北朝鮮の国家権力が集中していると思われるのだ。金正恩が先月、党中央委員会拡大会議で温泉(オンチョン)郡と雩時(ウシ)郡の組織解散措置を取り、関係者の大規模な処刑、広範囲な処罰を行ったが、その実質的な指揮を執ったのが金与正の夫だったことがわかった。彼は労働党組織指導部削課(検閲課)の監察担当副部長であり、あらゆる党組織・幹部を監察する絶大な権限を持っている。金正恩は側近も信用できず、結局は家族しか信頼できない精神状態になっているのだろうか。しかし、過去に金正日の妹の夫・張成澤が同様の絶大な権力を持った末に悲惨な最期を遂げたことが思い出され、金与正の夫も同じような道をたどるのではないか、と、北朝鮮の住民も固唾をのんで注目している。

3月8日(土)「姜哲煥代表が国会で尹錫悦大統領弾劾反対記者会見行う」
本チャンネルの姜哲煥代表が韓国在住の脱北者団体を代表して、尹錫悦大統領弾劾に反対する時局宣言を国会記者会館(国会疎通館)で行った。脱北者から見た尹大統領の対北・対脱北者対策および今回の弾劾事態に対する評価と立場表明を行った。全文は別途掲載する。

3月9日(日)「5年ぶりに開放していたインバウンド観光を早々と全面中断」
北朝鮮が外国からの観光客を積極的に受け入れると宣言したが、実施1週間ほどでこれを撤回し、再び国境を閉じてしまった。コロナ禍での国境封鎖から5年ぶりに大々的なインバウンド再開だったが、この5年に起きた様々な環境変化に北朝鮮が対応しきれず、矛盾が次々と露呈してしまったのだ。中国北京に本社のある英国の旅行会社コリョ・ツアーとニュージーランドのヤングパワー・ツアーの2社が北朝鮮観光を始めたものの、3月6日に停止となった。その原因は、まず北朝鮮内部が不安定であることが外国人観光客にも感じられるほどだということ、次に、以前は北朝鮮住民が外国人を見かけても敢えて近寄らなかったのが、今ではわざわざ外国人に近づいていって自分たちの窮状を訴えたりするようになったのだ。中には、単に不平不満を訴えるだけでなく、「自由朝鮮」のような外国の反北朝鮮体制勢力が観光客を装って入ってきているかもしれない、という希望を抱いて近づく者がいるのだ。さらに深刻なのは、外国人観光客への前例のない統制強化である。北朝鮮では外国人観光客に様々な制限が課せられることが知られているが、従来よりはるかに厳しく統制されるため、何のための観光旅行かと観光客が疑問に思うほどであり、外国人にとって、せっかくの北朝鮮訪問で否定的な印象ばかりが残ってしまうのだ。そのうえ、中国に対しては全面的に入国を開放したにもかかわらず、中国側が北朝鮮への団体旅行を一切禁止している。ウクライナ戦争中のロシア人は経済的余裕がない。そのほかのヨーロッパ人にも開放されたが、訪れてほしい富裕層ではなく、北朝鮮の内情に興味津々のユーチューバーがやってきて、おかしな動画を撮り、興味をそそる編集をしては世界中に発信してしまう。いずれにしても否定的な効果しか生まれないため、早々と北朝鮮観光の開放を取りやめてしまったのだ。

「ピョンヤン24時」ダイジェストについて
姜哲煥氏のYouTubeチャンネルにおいて、日々韓国語で語られている最新のトピックスを日本語に要約して紹介する。
姜哲煥氏は、京都に暮らしていた祖父母と父が帰国事業で1963年に北朝鮮に渡り、1968年に平壌で生まれた。9歳の時から10年間、家族とともに悪名高い「耀徳(ヨドク)強制収容所」に収容されたが、奇跡的に釈放され、脱北後1992年に韓国に亡命。10年間の朝鮮日報記者を経て、現在はNGO団体「北朝鮮戦略センター」の代表。韓国、北朝鮮はじめ国内外に様々なレベルの情報源を持ち、信頼度の高い情報をいち早く発信している。「守る会」結成間もない時期に日本に招待し、各地で講演を行っていただくなど、「守る会」との縁が深い。
邦訳著書
『平壌の水槽 北朝鮮地獄の強制収容所』(淵弘訳、ポプラ社)
『北朝鮮脱出』(安赫との共著)上・下(池田菊敏訳、文藝春秋 のち文春文庫)
『さらば、収容所国家北朝鮮』(ザ・マサダ)