「ピョンヤン24時」ダイジェスト 2024/10/14~10/20

ピョンヤン24時

10月14日(月)「忍耐も限界…李雪主が密着禁止令」

行事のたびに金正恩を若い男女が取り囲み密着する写真が取られるが、金ジュエの母として地位を確立した李雪主(リ・ソルチュ)が、これにブレーキをかけるよう党の宣伝扇動部に提起した。比較的最近、金正恩との密着写真が取られているのがモランボン楽団の金オクチュや李春姫(リ・チュニ)アナウンサーの孫娘だが、写真の中の金正恩は完全にデレデレした顔である。元歌手の李雪主が夫人になっただけに、人ぞろいの楽団員たちがその後を追おうと、機会あるごとに金正恩に密着しようとする。しかし、金ジュエが登場した頃から楽団との集合写真で女性が密着する写真が姿を消している。

[특종] 리설주 인내심 한계 도달...드디어 칼 뽑았다 충격 지시 하달
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10月15日(火)「プーチン、金正恩の関係悪化…北の要求をロが黙殺、通信網遮断」

プーチンと金正恩が一度は接近したが、最近、両者の関係が悪化しているようだ。兵士不足、砲弾・銃弾・ミサイルの不足を補うためロシアが北にこれらの支援を要請したが、金正恩はこれを良いことに過大な要求をしている。ロシアの全面支援で偵察衛星を打ち上げに成功した金正恩は、SLBMや極超音速ミサイル、核潜水艦などさらなる武器・技術支援を要求しているが、北がロシアに送った武器弾薬は60~80年代の古物で使い物にならない。そのためプーチンが北に武器のレベルを上げるよう要求し、北は中国から製造機械・技術を導入して武器弾薬製造過程を最新化しようとしたが、これらの物品を中国政府に押収された。おまけに軍需工場地帯の滋江道(チャガンド)、穀倉地帯の平安北道(ピョンアンプクト)が豪雨で大被害を受けており、北も追い詰められている。最近は崔仙姫(チェ・ソニ)がロシアを訪問して食糧を要求したが、プーチンはきっぱり拒絶したという。

[속보] 푸틴 김정은 선 넘었다...북한 요구 전면 묵살 통신망 차단
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10月16日(水)「金日成の銅像の頭上に大量のビラ…平壌市民動員して回収」

万寿台銅像周辺、中央党庁舎、国家保衛省人民武力部庁舎など、平壌の重要施設を中心に大量のビラ撒布が行われた。当初、ビラは韓国から飛ばされていると考え、金与正が反発の声明を出したりしていたが、金正恩が国防大学で演説した日から3日連続で撒布されており、その量や撒布場所からしてもそれは違うようだ。90年代にも咸鏡道(ハムギョンド)に大量のビラが撒かれたことがあったが、20数年前を彷彿とさせる大量撒布が、しかも平壌で初めて行われたのである。今、平壌市民はこの話で持ち切りだ。予てから平壌は鉄壁の守りだと大ぼらを吹いていたのに数台のドローンになすすべもないのかと嘲笑い、ビラの内容は金ジュエを始めとする金一族の贅沢三昧と北朝鮮経済の凋落を伝え、ビラの回収は当局だけでは追い付かず市民を総動員したため誰もが手にし目にしている。北朝鮮当局がドローンを回収できなかったため、飛ばした主体が誰なのかは依然として不明だが、その内容は平壌市民に確実に伝わっており、変化の兆しを感じさせることができた今回のビラ撒布は実に時宜適切であり会心の大ヒットだと言えよう。

[속보] 만수대 김일성 동상위 삐라 폭포 비상...평양 하늘 철벽이라더니 주민들 개탄
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10月17日(木)「金与正ついに汚物風船を全面中断…韓国の戦略が功奏す」

韓国の民間団体が北に向かってビラ風船を飛ばすのは、北の住民に知るべき情報を知らせるためであり、嫌がらせと危害を加える汚物風船とは意味が違う。今の時期は北から南への風が吹くため、韓国から風船を飛ばすのには向かず、北から飛ばすには都合の良い時期だ。しかし、このところ汚物風船はやってこない。今回の3日連続のドローンによるビラ撒布に恐れをなした金正恩に、金与正が「余計なことをするな」と叱られたのではないか。

[특종] 대한민국 전략 완전 먹혔다...김여정 드디어 대한민국에 무릎 꿇고 오물 풍선 전면 중단
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10月18日(金)「北朝鮮特殊部隊が集団脱走し韓国へ?」

ロシアに派兵された北朝鮮兵士の集団脱走が発生した。金正恩が東西の海、南北の境界線を完全に遮断し、道路を爆破して国土要塞化を進めているが、軍事境界線とその後方を守る人民軍兵士は我慢の限界に達しており、チャンスさえあれば南に逃げたがっている。しかし無数の地雷と鉄条網を貫いて脱北するのは容易ではない。彼らにとってウクライナ派兵はまたとない機会なのだ。ロシアへの北朝鮮兵派遣自体、最近報道され始めたばかりだが、既に1万人程度が派遣されたものと思われる。一部は戦闘の推移を観察し分析研究する将校らであり、大部分はロシアが力で併合し破壊しつくされたドンバス、ドネツク地域などを復旧するための工兵部隊として投入されていると見られる。戦闘地域ではなくても危険極まりない地帯であり、仮にそこで命を失っても家族が補償をもらえるわけでもない。このチャンスを生かして1人でも多くの兵士がウクライナを通じて亡命することを願う。

[속보] 북한군 특수부대 수십명 탈출...풍비박산 아수라장
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10月19日(土)「ロシア派兵の北朝鮮特殊部隊…騙された!怒り心頭」

北朝鮮兵士がロシアに派兵されるなり脱走するには理由がある。北朝鮮軍120万人というが、大部分の兵士は栄養不足でまともに戦えないため、まともに食事し訓練している特殊部隊を送るしかない。ところが、特殊部隊には出身成分のよい若者が集まっているうえ、MZ世代の彼らは既成世代と価値観が異なり考え方もしっかりしている。ロシア兵は年俸5万ドルで雇われているのに、北朝鮮の場合、いくばくかの報酬を北の政府が受け取り、兵士個人は現金を受け取れないと知ればどうなるか。数日前には金正恩の軍視察の際、射撃訓練をする特殊部隊員に警護部隊が銃口を向けて監視する写真が公開され、ただでさえ士気は落ちている。おまけにロシア語のできる兵士が少ないためロシア兵とのコミュニケーションがうまくいかず、無秩序に陥りがちだ。このような状況に置かれた兵士たちは脱走するしかないのだ。この際、韓国軍の心理戦部隊が北朝鮮兵に現実を知らせる情報を大量に送り、彼らの亡命を誘導することを提案したい。

[특종] 러시아 파병 북한 특수부대 수천명 "우린 모두 속았다"...눈 뒤집혀 아우성
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10月20日(日)「最強の軍隊を自負していた金正恩、実はポンコツと認めた?」

2022年12月、北朝鮮がドローン挑発をしたのを受けて韓国軍が2機の無人機を平壌上空に送りこんだが、人民軍総参謀部は韓国軍が発表するまでこの事態に気づかずにいた。これにより人民軍総参謀長が解任されるなど粛清の嵐が吹き荒れ、金正恩は総参謀部に対し、今度韓国から上空を侵犯されたら問答無用で撃墜する体制を整えよ」と叱責した。にもかかわらず今回平壌上空を飛ぶドローンを事前に探知・撃墜はおろか、砲弾の1発も撃てなかった。2年前の事件以降、総参謀本部が対応を取ろうにも、金正恩は核開発とミサイル実験に資金をつぎ込み、最先端レーダーや砲を作ろうにも資金がない。今回の事態を受けて、国防安全協議会が開かれ、偵察総局は状況を分析すると言い、総参謀部は今後の対応のあり方を論じ、国防長官は軍事力の現代化を進めなければならないと言ったそうだが、電力不足のためレーダーは24時間稼働できないし、中東に見るようにドローン戦の時代に、首都上空に侵入したドローンにさえ手が出なかった。もはや、米国の最新式無人機はおろか韓国国防部が対応に動かずとも、民間の愛好会が金正恩のいる所の上空にドローンを飛ばすだけでも十分な脅威となるのではないか。

[속보] 김정은 형편없는 북한 군사력 최초 공개 인정...주민들 반발
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「ピョンヤン24時」ダイジェストについて

姜哲煥氏のYouTubeチャンネルにおいて、日々韓国語で語られている最新のトピックスを日本語に要約して紹介する。

평양 24시
평양24시는 김정은 정권의 중심인 평양을 중심으로 북한의 핵심정보들을 취재해 제공하는 TV입니다. 강철환 전 조선일보 기자와 전 언론기관 출신 편집자, 북한학 박사, 북한의 최고위층 엘리트, 핵심 전문가들과 함께 북한을 포함한 동북아시아 문제에 대해 심도있는 분석과 보도를 할 예정입니다...

姜哲煥氏は、京都に暮らしていた祖父母と父が帰国事業で1963年に北朝鮮に渡り、1968年に平壌で生まれた。9歳の時から10年間、家族とともに悪名高い「耀徳(ヨドク)強制収容所」に収容されたが、奇跡的に釈放され、脱北後1992年に韓国に亡命。10年間の朝鮮日報記者を経て、現在はNGO団体「北朝鮮戦略センター」の代表。韓国、北朝鮮はじめ国内外に様々なレベルの情報源を持ち、信頼度の高い情報をいち早く発信している。「守る会」結成間もない時期に日本に招待し、各地で講演を行っていただくなど、「守る会」との縁が深い。

邦訳著書
『平壌の水槽 北朝鮮地獄の強制収容所』(淵弘訳、ポプラ社)
『北朝鮮脱出』(安赫との共著)上・下(池田菊敏訳、文藝春秋 のち文春文庫)
『さらば、収容所国家北朝鮮』(ザ・マサダ)

姜哲煥氏関連書籍(Amazon)

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