「ピョンヤン24時」ダイジェスト 2025/02/10-02/16

ピョンヤン24時

2月10日(月)「中小国境は崩壊寸前?!…大量脱北・密輸暴発の兆し」

北朝鮮がロシアを通じてドイツ製の新型衛星アンテナを大量に密輸したようだ。2018~2020年の3年間、金与正(キム・ヨジョン)と趙甬元(チョ・ヨンウォン)が中朝国境の都市を回った際、携帯電話を徹底的に没収し、それ以降摘発された者は厳罰に処せられた。中朝国境地帯の鉄条網や監視施設、監視体制などの脱北・密輸阻止対策も強化された。しかし、2024年夏の鴨緑江流域の大水害のため、多くの脱北阻止施設が流されたり壊れたりし、現在も完全に復旧していない。これを大量の軍人で補おうとするが、そうすると軍の中で腐敗が起きたり、軍人自身が脱北したりするというジレンマにある。中国も北朝鮮麻薬の横行に頭を痛めている。麻薬密輸はドローンを使うなど密輸も巧妙化した。中国が脱北者の強制送還を中止しているため、脱北者は増加しているようだ。その証左として中朝国境地帯の通信量が急増しているという。これらを統制するためにも通信機器のアップグレードが必要と判断し、大容量の通信を可能にする最新機器を導入したものと見られる。

[속보] 북한 국경 다 뚫렸다...대량 탈북 밀수 등 폭풍전야
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2月11日(火)「金正恩が数万人の10代の子供たちを餓死・凍死の淵に追い込む!」

金正恩が、平壌の12歳から14歳の少年数万人を白頭山まで歩いて往復させる「学びの千里の道(朝鮮の1里は約400m)」というとんでもない行事を強行した。1923年12歳だった金日成が、父の逮捕の知らせを聞いて満州の八道溝(パルトグ)から平壌まで400kmを歩き、14歳の時に平壌から歩いて再び中国入りしたという逸話にちなんだもので、50年前から行われてて来た行事だ。今年は100年目に当たるとして大規模に行われたのだが、今年の寒さは例年以上に厳しい。防寒も食糧も十分でなく、途中に民家があるわけでもない道を20日間歩かなければならない。「学びの道」ではなく「虐待・虐殺の道」に他ならないこの行事を、世界中が声を上げて直ちに止めさせるべきだ。

[속보] 전 세계에 유일한 어린이 동계 학대**이런 미친짓을?
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2月12日(水)「ロシア大使の談話が北朝鮮の特殊戦闘員の感情を逆なで?!」

平壌駐在のロシア大使が、数百人の負傷ロシア兵が平壌の病院で治療を受けていると、朝鮮中央放送で発表した。負傷したロシア兵の家族も同行して休養しているうえ、ロシア兵の治療費、家族の滞在費はすべて無償だという。北朝鮮からロシアに派兵された1万2千人の大部分が、既に死亡または負傷しているとされ、既に数万人が追加派兵されたものと思われるが、北朝鮮には運ばれた死体もないし、北朝鮮で治療を受けている負傷者もいない。金正恩がロシア兵を平壌に連れてきて好待遇を受けさせているのは、プーチンからさらなる兵器開発技術の供与を受けようとするものだろうが、北朝鮮兵士とその家族には派兵報酬も死亡補償もない中で、北朝鮮の人々の怒りは極に達しつつある。

[속보] 김정은 이상 행동에 평양 발칵 뒤집혔다...북한 특수군 반발 거세졌다
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2月13日(木)「最終カードちらつかせる中国、恐怖におびえる金正恩」

北朝鮮が2月1日付で中国からの訪問客を無ビザで受け入れることにしたが、その背景が分かった。金与正が中国に特使を送り、脱北者の強制送還を再開してほしいと要望したものの、中国政府から何の回答ももらえなかったのだ。2020年から3年間、コロナ禍を理由に中朝国境が封鎖されていた。中国が北朝鮮にコロナワクチンを提供すると申し出た際は、その前提条件として中国側が北朝鮮国内の状況を調査することを断り、国境封鎖が続いた。さらにコロナ禍収束後も、中国からの国境開放要請に対し、北朝鮮は応えてこなかった。このことで中国が腹に据えかねていたところへ、ウクライナ戦争勃発により北朝鮮がロシアに急接近したことが中国の逆鱗に触れた。そこで北朝鮮への輸出品を押収して競売にかけたり、中国駐在員の隠し金を没収したりと、圧力を加えてきた。そして最後のカードが脱北者の強制送還中止だったのだ。中国が脱北者の強制送還を止めることを公式に確定すれば北朝鮮の崩壊は間近だと、本放送もこれまで指摘してきた。中国がこのカードをちらつかせた途端、金兄妹は慌てて中国に対し無ビザ訪問許可という屈従戦略に出たのだ。今、中国は米国トランプ大統領との駆け引きに迫られている。ここで米国は中国に対し、脱北者の強制送還禁止を要求することで、北朝鮮に強力な圧力をかけることを望む。

[긴급속보] 북한 멸망 전략 제대로 먹혔다...김정은 무릎꿇고 개방 공표
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2月14日(金)「ロシア軍が北朝鮮軍の陣地を爆撃!特殊部隊員の大量殺戮に驚愕!」

ウクライナ戦に派兵された北朝鮮兵士3人が5人のロシア兵を銃で殺して逃亡した。現在、ロシア軍警察らは3人のモンタージュ入りの手配ビラを撒いて捜索しているが、1か月過ぎても見つかっていないところからすると、既にウクライナ領内に逃げ込んだのではないか。また、ウクライナ軍に包囲された北朝鮮軍の中隊を、ロシア軍が爆撃し壊滅させたという事件が米国アジア放送で報道された。包囲された北朝鮮兵士がウクライナ側に投降することを阻止するためだったものと思われる。派兵された北朝鮮兵士らは既に、自分たちには派兵報酬も死亡補償も支払われないこと、自分たちが何か不穏な言動をすれば北朝鮮にいる家族も収容所送りになること、金正恩はロシア人負傷兵の治療はしても北朝鮮兵の命には関心がないことなどを承知しており、これ以上戦闘命令に従う意味がないと感じていることは明白だ。ロシアの最前線でこの放送を視聴している北朝鮮兵士がいるならば、ウクライナは捕虜の意思を大切にする国であり、捕虜交換によって北朝鮮兵士を死に追いやるようなことは国際条約で禁じられているので、迷わずウクライナに投降し、亡命の意思を明確に示してほしい。

[특종] 러시아군 북한군 진지 폭격에 특수부대원 떼죽음
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2月15日(土)「北朝鮮のアジア大会代表選手の挨拶に『金正恩元帥様』がない?!」

ハルビンで開かれた冬季アジア大会のフィギュアスケートで銀メダルを獲得したリョム・デオク選手の記者会見での発言が注目を引いている。従来であれば「金正恩元帥様のおかげでメダルを獲得できた」と述べるところを、今回は史上初めて「金正恩元帥様」に言及せず、「監督同志の配慮と努力のおかげ、祖国に感謝する」と述べたのだ。北朝鮮を知る者には驚きだったが、これは金正恩の政策基調が変わったためだと思われる。金正恩自身が、「外国に行ってまで『金正恩元帥様』を連呼するのはみっともないからやめろ」と指示したのではないか。そうでなければありえないことだ。その一方で、派遣された選手1人に7人の保衛部要員がつくという異様な光景が見られた。パリオリンピックでは選手1人に4人の保衛部要員がついていたが、一部の選手が逸脱行為を行ったことが問題となった。そのため警戒が厳重になったのだろうが、自由主義国のバリよりも同じ共産主義国の中国での警戒をより厳重にするとは皮肉である。また、今回の冬季大会に北朝鮮指導部は招待されなかった一方で、韓国国会議長のウ・ウォンシクがこの時期にハルピンを訪れ、習近平とにこやかに会談を行った。さらに、北朝鮮の労働新聞にはリョム・デオク選手の銀メダル受賞の記事がたったの1行だけ掲載された。ぎくしゃくする中朝関係、中国に見捨てられた北朝鮮の姿を象徴するような現象が随所で起きている。

[속보] "원수님보다 감독님 은혜" 北선수 제정신?
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2月16日(日)「金与正の致命的な病気が悪化したか?」

金正恩は新年に20日間姿を見せなかったが、金与正はもう1か月間姿を見せていない。金正恩は高度肥満で若死にするだろうと言われているが、平壌では金与正の方が早く病死するのではないかという噂がたっている。現在、北朝鮮は韓国からのドローン飛行に関して国際機関への提訴を行っており、この件を指揮するのは金与正のはずだが、ここしばらく動きがない。2019年4月に金正恩が初めてロシアを訪問した際、旅程を早めて咸興で列車を停車させ1日をそこで過ごしたことがあったが、後にこれは甲状腺を患った金与正を咸鏡南道西湖別荘に見舞うためだったことが分かった。その約1月後、金与正はハノイ会談に姿を見せたが、帰国後また1か月間姿を隠した。金一族はおしなべて肉付きがいいが、金与正だけはガリガリに痩せている。2018年に韓国で行われた平昌(ピョンチャン)オリンピックの際には元気な顔色だったが、その後はいつも青白い顔でどこか体が悪いことを思わせていた。甲状腺を患ったことは上述の通りだが、肺や白血球に問題があるのではないか、或いは体調の悪さを紛らわせるため麻薬に手を出したのではないかとい噂もある。いずれにせよ高度肥満の兄と激ヤセの妹の2人で犯してきた罪の大きさを考えると、天罰が下る時は近いのかもしれない。

[속보] 김여정 치명적 질병 악화
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「ピョンヤン24時」ダイジェストについて

姜哲煥氏のYouTubeチャンネルにおいて、日々韓国語で語られている最新のトピックスを日本語に要約して紹介する。

평양 24시
평양24시는 김정은 정권의 중심인 평양을 중심으로 북한의 핵심정보들을 취재해 제공하는 TV입니다. 강철환 전 조선일보 기자와 전 언론기관 출신 편집자, 북한학 박사, 북한의 최고위층 엘리트, 핵심 전문가들과 함께 북한을 포함한 동북아시아 문제에 대해 심도있는 분석과 보도를 할 예정입니다...

姜哲煥氏は、京都に暮らしていた祖父母と父が帰国事業で1963年に北朝鮮に渡り、1968年に平壌で生まれた。9歳の時から10年間、家族とともに悪名高い「耀徳(ヨドク)強制収容所」に収容されたが、奇跡的に釈放され、脱北後1992年に韓国に亡命。10年間の朝鮮日報記者を経て、現在はNGO団体「北朝鮮戦略センター」の代表。韓国、北朝鮮はじめ国内外に様々なレベルの情報源を持ち、信頼度の高い情報をいち早く発信している。「守る会」結成間もない時期に日本に招待し、各地で講演を行っていただくなど、「守る会」との縁が深い。

邦訳著書
『平壌の水槽 北朝鮮地獄の強制収容所』(淵弘訳、ポプラ社)
『北朝鮮脱出』(安赫との共著)上・下(池田菊敏訳、文藝春秋 のち文春文庫)
『さらば、収容所国家北朝鮮』(ザ・マサダ)

姜哲煥氏関連書籍(Amazon)

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