北朝鮮人権法改正に伴う諸要望について

貴職におかれましては、平素より拉致問題及びその他北朝鮮当局による人権侵害問題の解決のために、日本国民の先頭に立ちご尽力されており、そのことに対し私たちは心より敬意を表します。また、拉致問題対策本部に民間人を登用するという取組は、閉塞感のある現況に風穴を開けるものと大いに期待をしているところです。
 さて、平成22年2月17日付け産経新聞によりますと、政府・民主党は2月16日、北朝鮮人権法(拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律・平成18年6月23日法律第96号)(以下「この法律」という。)を改正する検討に入ったことが報道されています。
 かねてより、全国各地で拉致問題及びその他北朝鮮当局による人権侵害問題の解決を目指して活動を展開している私たちとしても、この法律に依拠するところは大きいものがあり、この法律がどのように改正されていくかについては大いに関心のあるところです。
 つきましては、このたびの改正検討に際し、実際に全国各地で様々な立場や角度から活動を展開する者(団体・個人)として何点か要望を致したいと思いますので、よろしくお取り計らい下さい。

1 この法律の第2条第3項に規定する、「その他北朝鮮当局による人権侵害問題」とは具体的にはどのような人権侵害問題なのか、また拉致問題を含め、それらを所管する省庁はどこになるのかを明確にして下さい。
2 この法律の第3条及び第4条に基づき地方公共団体が責務として行なうべき啓発活動について、政府がすべての地方自治体の活動実態を把握することを義務付けて下さい。
3 この法律の第5条に規定する年次報告については、政府及び地方公共団体として下さい。
4 この法律の第6条に規定する民間団体と、政府が断続的に協議する場を設けて下さい。その場合、拉致問題、特定失踪者問題、脱北者問題、難民問題、強制収容所問題に取り組む者(団体・個人)をメンバーに集めて下さい。
5 この法律の第6第3項に規定する民間団体への支援について、その内容を明確にするとともに支援の枠を拡大して全国の民間団体が活動しやすいような制度を構築して下さい。
6 この法律と、「国の人権教育・啓発に関する法律」とが密接に連携して啓発活動が行なわれるようお取り計らいいただくとともに、そのことについて全国の地方公共団体に周知して下さい。
7 この法律の趣旨及び各条文について、疑義が生じないよう全国の地方自治体に通達などをして下さい。また、広く国民に対しても広報啓発に努めて下さい。
8 この法律の第8条に規定する制裁措置についてはすべての拉致被害者を救出することを前提とし、安易な妥協に走ることなく日本国民の生命と安全を守ることを第一に考えて下さい。
9 以上の要望を真摯にご検討頂き、今国会において法改正等の手続きを速やかにお取り下さい。

平成22年3月 24日

 拉致問題対策本部長 内閣総理大臣 鳩山由紀夫 殿

団体

救う会愛知 代表 宮地憲康 
救う会徳島 代表 陶久 敏郎 
救う会高知 代表 森田 和博 
横田ご夫妻ら拉致被害者家族を支援する群馬ボランティアの会 
事務局長 大野敏雄 
救う会三重 会長代行 森田 優
救う会奈良 代表 佐藤 一彦
救う会福岡 事務局長 松尾 和幸
救う会神奈川 代表 川添友幸
救う会宮城 代表 安藤 哲夫
救う会青森 代表 成田 義人 
救う会秋田 代表 松村 譲裕
ヒューマンライツ・イン・アジア 代表 加藤 健
特定非営利活動法人北朝鮮難民救援基金理事長 加藤 博
よど号グループに真相を究明する会 共同代表 川添友幸
国民新聞しおかぜ友の会 代表 山田惠久
ワシントンDCらち連絡会 世話人 浅野泉

個人

川島高峰 明治大学準教授 
高沢皓司 ジャーナリスト 
黒坂真 大阪経済大学教授
宋允復 NO FENCE事務局長
三浦小太郎 北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会 代表
依藤朝子 北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会 国際部長

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