日本政府ならびに朝鮮総連幹部への公開質問状発表

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2月28日午前11時、北朝鮮帰国者の生命地人権を守る会では、萩原遼名誉代表が東京の星陵会館にて記者会見を行い、下記の日本政府並びに北朝鮮最高人民会議に出席予定の朝鮮総連幹部日本政府への公開質問状を発表しました。

帰国者、日本人配偶者が数少ない例外を除いて自由な出国も日本訪問も許されない中、帰国事業に大きな責任を有する朝鮮総連幹部がこの問題解決のための力を行う姿勢もなく、最高人民会議に出席することには強い疑問を感じるものです。

記者会見後、朝鮮総連に萩原名誉代表は質問状を持参しましたが、相手は例によって受け取りを拒否しました。各報道機関が粘り強くこの問題を報じ、総連の姿勢を正してゆく事を期待するものです。(日本政府宛の質問状は法務省並びに総理府宛に本日郵送いたしました。

日本政府への公開質問状

3月9日から平壌で朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議(国会)が開かれ、日本に住む在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の幹部6人が代議員として出席します。日本に住み日本国民との友好と連帯を綱領にうたっている朝鮮総連は、在日朝鮮人のみならず日本国民の生活と権利についても重い責任を負っています。
この機会に以下のことを質問し、公開的に回答を求めるものです。

1)日本国民の目下の最大の関心事である拉致問題について。
朝鮮総連は組織として日本人拉致に関与している疑いがきわめて強い。具体的には朝鮮総連の裏組織の学習組がしきっている。また帰国した在日朝鮮人を人質に取り、日本にいる家族に金品を強要している。億単位の金を取られた家族もいる。これらは明らかに犯罪である。

こうした犯罪容疑者を自由に北朝鮮と日本を往来させてよいのか。よいとするならその根拠は何か。彼らは、再入国は在日朝鮮人の権利だというが、犯罪容疑者と普通のまじめな在日朝鮮人とをはっきりと区別すべきではないか。再入国の資格がないものは本国で住めばよい。

2)1959年12月に始まったいわゆる帰国事業で、在日朝鮮人と結婚して北朝鮮に移住した日本人妻およそ1800人は、北朝鮮当局が出国させないため、ごく一部を除いて里帰りはおろか親兄弟姉妹親戚の死に目にも会えず、高齢の身で望郷の思いにかられながら往来のできる日を待ちわびています。犯罪行為に関与した疑いが濃厚で、それらに責任を負っている朝鮮総連の最高幹部を自由に往来させながら、日本人妻の往来を認めない北朝鮮の態度は不当である。彼らを出国させるべきではないし、出国するなら日本への再入国を認めるべきではない。

3)いわゆる帰国事業で北朝鮮政府ならびに朝鮮総連が振りまいた「地上の楽園」の幻想と甘言で北朝鮮に移住した在日朝鮮人10万人の大部分も北朝鮮政府によって日本との往来の道が阻まれている。彼らの切なる願いである日本との往来が実現するよう日本政府は北朝鮮政府に強く迫るべきである。北朝鮮当局がそれを認めないなら今回の北朝鮮国会議員の出国と再入国を認めるべきではない。

4)日朝間の往来をめぐる不公平の是正を日本政府は強く求めるべきだ。つまり日本政府は在日朝鮮人に北朝鮮往来の自由を与えている。しかし北朝鮮当局は、日本人妻や在日朝鮮人の往来を許さない。1972年からこうした不公平が続いているそうであるが、いつかは断ち切らねばならない。日本政府はかかる不公平をいつまで続けるつもりなのか。回答していただきたい。

2005年2月28日
北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会


最高人民会議代議員への公開質問状

貴下は3月9日から平壌で開かれる朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議に代議員として出席されます。日本に住み日本国民との友好と連帯を綱領にうたっている貴組織、在日本朝鮮人総連合会の幹部である貴下は、在日朝鮮人のみならず日本国民の生活と権利についても重い責任を負っておられます。
ついては今回の最高人民会議での審議につぎのことを取り上げていただくよう要望し、公開的に回答を求めるものです。

1)日本国民の目下の最大の関心事である拉致問題について、貴国の機関により拉致された日本人被拉致者全員の安否とすべての情報を出すよう貴国国会で奮闘していただきたい。国会議員である貴下が先頭に立って祖国の関係機関と交渉し、しかるべき結果を出し、被害者家族ならびに日本国民に報告していただきたい。

2)1959年12月に始まったいわゆる帰国事業で、在日朝鮮人と結婚して貴国に移住した日本人妻およそ1800人は、貴国当局が出国させないため、ごく一部を除いて里帰りはおろか親兄弟姉妹親戚の死に目にも会えず、高齢の身で望郷の思いにかられながら往来のできる日を待ちわびています。国会審議の中で貴国の非人道的な措置が一日も早く撤廃され、日本人妻が日本を往来できるよう貴下が先頭に立って努力していただきたい。

3)いわゆる帰国事業で貴国政府ならびに貴組織が振りまいた「地上の楽園」の幻想と甘言で貴国に移住した在日朝鮮人10万人の大部分も貴国政府によって日本との往来の道が阻まれています。彼らの切なる願いである日本との往来が実現するよう渾身の努力を尽くしていただきたい。
具体例を一つ挙げます。愛知県から貴国に移住した在日朝鮮人女性は、2003年秋に病に倒れた母親の見舞いを切望しています。日本に住む妹の安本左久子さんが日本法務省に代理申請して入国ビザの発給をかちとりました。しかるに朝鮮総連は仲介の労をとらず、貴国政府も彼女をいまだに日本に出国させていない。この機会に貴下はあらためて貴国政府に働きかけてその実現に努力すべきです。

4)貴国に移住した在日朝鮮人を人質として日本に残された家族に対し、多額の金を強要する例が枚挙にいとまのないほど起きています。恐喝まがいのこうした行為をただちにやめるよう本国政府ならびに責任者に伝え、停止させていただきたい。

以上のことを実現する絶好の機会が今回の最高人民会議であることは言うまでもありません。しかるべき結果を持ちかえることを信じるものですが、もし木で鼻をくくったような従来型の対応なら日本に住む朝鮮民主主義人民共和国の国会議員の意味がないと言わざるをえません。そのさいは日本に戻ることなく、貴国で活動していただきたい。日本国民と心ある在日朝鮮人は貴下の行動を注視するものです。

2005年2月28日
北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会

(旧サイトからの転載:http://hrnk.trycomp.net/statement.php?eid=00005)

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