朝鮮総連大阪本部への抗議文

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北朝鮮と朝鮮総連による「帰国運動」は地獄への道だった

今年12月、いわゆる「帰国運動」の第一船が新潟を出て50年たつ。北朝鮮と朝鮮総連がおこなった「地上の楽園」の虚偽宣伝にだまされて9万3千人の在日朝鮮人と日本人妻等が北朝鮮に移住した。そこは楽園どころか地獄だった。「帰国者」は50年にわたりその地獄に拘禁され、離散家族の苦しみを与えられた。

今回来日した姜哲煥氏は、平壌で生まれた帰国者二世である。10歳の時帰国者の祖父が金日成政権により反党反革命分子とされたため、祖母、両親、叔父、叔母、妹など一族もろともヨドック強制収容所に入れられた。10年間地獄のなかの地獄を体験した。釈放後韓国に脱出した。帰国運動の悲惨をなめつくした生き証人の一人である。

3年前に日本に脱北した高政美さんは3歳の時、両親に連れられ、帰国船に乗った。十代半ばだった兄は北に着くなりだまされたと知って船から降りることを拒否して精神病院に拘禁され、10年後に死んだ。父はスパイの疑いで数ヶ月にわたり激しい拷問を受けぼろぼろにされた。高政美さん自身も脱北を試みて逮捕され、ひどい拷問を受けた。

朝鮮総連は北朝鮮政府のいいなりになって在日朝鮮人を地獄に運ぶ手足をつとめた。在日朝鮮人が最も多く住む大阪で多数の在日朝鮮人の運命を狂わせた朝鮮総連大阪府本部の責任はとりわけ重い。

高政美さんはいま朝鮮総連の徐萬述議長を相手取って、「帰国」の責任を問う裁判を起こしている。裁判のなかで朝鮮総連は、「帰国運動」には何らかかわっていないと主張しているが、これほど厚顔な主張はない。北朝鮮と朝鮮総連の執拗な虚偽と勧誘がなかったら、姜哲煥氏も高政美さんも人生を狂わされることはなかった。その責任を問うため二人は朝鮮総連大阪本部に来たのである。

朝鮮総連大阪府本部は、自ら犯した犯罪行為に対し彼らに謝罪せよ。そしていまなお地獄で苦しむ在日朝鮮人と日本人妻の救出のために努力せよ。そのことを北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会は強く要求する。

2009年7月4日
北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会・関西支部

(旧サイトより転載:http://hrnk.trycomp.net/statement.php?eid=00013)

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