中国人偽装入国者の逮捕に関する声明

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中国人偽装入国者の逮捕に関する声明

3月8日、中国人男女4人が脱北者を装って日本に入国していたとして逮捕され、この偽装入国にかかわったとして脱北日本人妻の一人も逮捕されたとの報道がありました。
今回明らかになった事件は誠に残念ことです。中国人が脱北者を偽装して日本に入国し、日本人妻がそれを幇助したとすれば、その責任が厳しく問われるのは当然です。
これまでこの日本人妻は、報道番組や集会などで北朝鮮帰国者・日本人妻の救援を訴えており、私たち「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」も彼女のその行動・発言を支持し、支援してきました。

50年前の帰国事業で北朝鮮に渡った日本人妻の脱北と日本入国という特殊な、しかし現在の大きな人道問題の中で生じたこの事件について、今後の捜査による全貌の解明と法にしたがって行われる処置を、注意深く見つめていきたいと思います。
事件の全体像はいまだ明らかではありませんが、この一例によって、日本に関係する脱北者の保護と日本への救出に、これまで以上に遅延が生じてはなりません。

このような事態が生じるのは、決死の覚悟で中国に逃れた脱北者が何の保護も受けられず、北朝鮮への強制送還に怯えながら非合法下に身を隠さねばならず、金銭目的のブローカーや日本潜入を企む者たちに利用され、付け入られる状況に置かれているからです。このため、身の安全を自分で確保する手段を持たない脱北者が、悪質なブローカーに捕らわれて人身売買にあったり、親族が高額の身代金を要求されたりする事態が多発しています。

中国政府は、難民条約に加盟しているにもかかわらず、脱北者を難民として保護せず、拷問と収容所送りが待つ北朝鮮に強制送還しているのです。人間らしく生きるために北朝鮮を脱出した人たちを迅速に保護し、ブローカーに頼ることなく救っていく仕組みを早急に確立することを求めます。
特に、帰国事業で騙されて北朝鮮に渡った人たちが、日本に戻ることを希望するなら、日本政府はまず身柄を迅速に保護し、その上で事実確認を正確に行い、日本に入国させることを強く求めます。

2009年3月9日
北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会
代表 三浦小太郎

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